2004年02月08日(日)  No.143
監督 : 川島雄三
原作 : 新藤兼人
脚色 : 新藤兼人
企画 : 米田治 / 三熊将暉
撮影 : 宗川信夫
音楽 : 池野成
 
配役:
若尾文子 (三谷幸枝)
伊藤雄之助 (前田時造)
山岡久乃 (前田よしの)
川畑愛光 (前田実)
浜田ゆう子 (前田友子)
高松英郎 (香取一郎)
小沢昭一 (ピノサク)
船越英二 (神谷栄作)
山茶花究 (吉沢駿太郎)
 

団地の一部屋にセットを限定した川島雄三の傑作ブラックコメディ。
新藤兼人がオリジナル脚本を書いた。

前田夫妻のもとに芸能プロの社長香取が怒鳴り込んでくる。
息子実が使い込みをしたというのだ。
父と母は申し訳なさそうな顔をして謝っていたが、ほんとうは息子とぐるである。
香取が帰って程なく、実が戻ってくる。
実は50万円ほど父母に渡していたが、今の社長の話じゃ、相当な金額を横領しているようだ。
父はさらに金を息子に無心する。
そこへ長女の友子が帰ってくる。
作家吉沢の妾をやっているが、旦那に暇を出されたと言う。
父母が吉沢から借金をしたり、実が吉沢の名を使って銀座で豪遊するのが気に入らないらしい。
吉沢先生もやってきた。慌てて友子は姿を隠す。
吉沢も言いたいことを言ったが、本音では友子に戻ってもらいたいようだ。
そこへ芸能プロの経理を担当してる幸枝がやってくる。
息子はこの女に貢いでいたのだ。
友子が覗いているにもかかわらず、実が幸枝を求めると逆に幸枝は別れ話を切り出した。
「横領したのはあなたよ、私には関係ないわ、会社に辞表を出したわ、会社とも今後関係ないわ」と計算ずくでものを言う。
香取もやってくるが、幸枝は動じない。
幸枝は香取の脱税のしっぽを掴んでいたのだ。

実験的シニカル・コメディーだ。
善人は誰もいない。団地の一室を舞台に欲にまみれた怪物たちが蠢く。

結局、前田親子の他人である幸枝(若尾文子)が一番美味しいところを持って帰る。
山岡久乃は怪演だった。普通のお母さんの演技でありながら、毒を吐きまくっていた。
伊藤雄之助はいつものように、のらりくらり演技である。
船越英二が気の弱い税務署員の役で出てくる。最期は食い物にされて身を投げる。

 

実と友子がゴーゴーを踊っているが、そのバックに流れる音楽が能楽なのだ。
当時としては斬新な音楽で、ドキリとした。

しとやかな獣 1962 大映

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