陳凱歌チェン・カイコー)監督のカンヌ映画祭グランプリ作品。
京劇に青春を賭けた若者二人が中国現代史に翻弄される。二人の演ずる舞台を美しい映像で描いている。

 

 

京劇の舞台に立つには子供の頃に親と離縁して京劇一座の見習いとなり、アクロバットなど、かなり厳しい修行を経て一人前に認められなければならない。小籠と小豆(レスリー・チャン)も国民党時代に京劇一座に拾われやがて才能を開花させていく。
やがて小豆は女形となり蝶衣と名乗り、演劇界の大立て者で同性愛者の袁に見初められた。そして小籠との京劇「覇王別姫」(項羽と劉邦のお話、四面楚歌や虞美人草などのエピソードがある)は当たり狂言となる。
しかし小籠が娼婦菊豆(コンリー)と成り行きから結婚することになると、蝶衣と小籠の間はぎくしゃくし始める。蝶衣は小籠のことを心密かに想っていたのだ。小籠もまたそのことはわかっていたが、気づかぬ振りを通す。
時代は大きく揺れ動き、日本軍が北京に入城すると、蝶衣は宴席に呼ばれる。これが後に大きな禍根となる。
やがて時代は日本の敗戦、共産党支配の時代を経て、文化大革命の荒波が文芸を襲う。京劇批判が高まる中、小籠と蝶衣もまた民衆の前に引きずり出され、転向を迫られる。何も答えぬ蝶衣だったが、小籠は蝶衣を売国奴だと告発する。

 

 

京劇の世界を知らない人も知っている人も、その美しさに圧倒される。
決して答えられることの無い愛に散ったレスリー・チャンの女形姿がかなり危ない。

男性と女性から同時に愛される主人公の立場も大変だが、恋敵である筈のレスリー・チャンとコン・リーの間に流れる同志愛のような特別な感情にも注目される。
単なる同性愛映画とは違うので、興味のある人は是非ごらん頂きたい。

さらばわが愛 覇王別姫(1993, 香港)

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