この映画は、は石原裕次郎がジャズ・ドラムを叩きながら何故かジャズと関係なく「おいらはドラマー」と歌う落差が記憶に残っている。
あらすじ
マネージャー福島美弥子に横恋慕する左京に唆され、人気ドラマーのチャーリー桜田は美弥子の元から独立する。
そこで美弥は、新人ドラマー国分正一を発掘する。正一はメキメキ力を付け、チャーリーとドラム合戦で戦うことになる。
しかしチャーリーの事務所社長持永は舎弟・健を使い、正一を襲わせる。ドラム合戦に出てきた正一は片手をケガした状態だった。
しかし、自慢の歌を歌って観客の大歓声を得る。そのおかげで人気投票も一位に輝く。
ジャズに全く興味のない母は、正一に冷たい。寂しさを埋めるため、正一は美弥子と愛し合う・・・。
大学を卒業する弟英次が作曲家としてデビューすることになった。左京は弟を守りたければ、美弥子の元から離れろと言う。
しかし美弥子は陰謀を見抜き左京と絶縁する。左京は激怒して持永を使い正一を襲わせて、手を潰してしまう。
弟のデビューの日、正一はジャズ喫茶でラジオ中継を聞いていたが、美弥子らが見つけ迎えに行く。
弟のために手を潰したと知った母ともようやく和解する。
雑感
石原裕次郎人気を確立した作品。
真ん中のドラム合戦シーンが特徴的だが、それもそのはず、ラストシーンの弟役の青山恭二の指揮ぶりが残念すぎる。
確かにこのシーンで指揮の吹替えは無理だが、歴史に残る映画とわかっていたら、きちんと演技指導すべきだった。
ジャズ・ブームが廃れ、演歌バンドになる形は1957年当時既にあったのだろう。
ハワイアン・バンドだが、和田弘とマヒナ・スターズも1957年にムード歌謡に転向している。
福島美弥子のモデルは、渡辺プロの渡辺美佐である。
スタッフ
製作:児井英生
原作、監督:井上梅次
脚本:井上梅次、西島大
音楽:大森盛太郎
撮影:岩佐一泉
キャスト
国分正一 石原裕次郎
福島美弥子 北原三枝(ジャズバンドのマネージャー、渡辺美佐がモデル)
弟国分英次 青山恭二(正一の弟で作曲家)
母国分貞代 小夜福子(正一、英次の母)
島みどり 芦川いづみ(アパートの管理人の娘)
左京徹 金子信雄(ジャズ評論家)
メリー・丘 白木マリ(白木万理)
チャーリー桜田 笈田敏夫(ライバル・チャーリー)
福島慎介 岡田眞澄(美弥子の兄でベイシスト)
持永社長 安部徹(ライバル社の社長)
健 高品格(ヤクザ)