2001年にテレビドラマとなったキムタクの「HERO」が突然2006年になってスペシャル版となって復活を遂げた。山口地検虹ヶ浦支部へ転勤になったキムタク演ずる久利生検事が殺人事件の犯人(中井貴一)を明らかにする。しかしその裏で事態を操っていた黒幕は花岡代議士(石橋蓮司)であり、花岡を追求するために久利生は東京地検城西支部に呼び戻される。
スペシャルはそのあとに続く劇場映画のための宣伝だったのだが、スペシャルドラマだけ見ていて2007年劇場版「HERO」は見なかった。今回2015年版を見ることになったので、ついでに鑑賞することになった。
芝山検事(阿部寛)が捜査検事として担当した傷害致死事件だが、芝山が自分の離婚裁判で忙しくなったので久利生が公訴検事を引き受ける。ところが辞め検の敏腕弁護士(松本幸四郎)が出馬して、犯人梅林(波岡一喜)は自白を覆して無罪を主張する。東京地検特捜部の案件である花岡代議士の汚職事件に梅林が絡んでいるため、こんな事件に大物弁護士が起用されたのだ。それでも久利生と雨宮事務官(松たか子)は韓国にまで渡りながら、証拠の自動車を探し出す。
2001年にテレビドラマで見たときは、松たか子が飛ぶ鳥を落とす勢いだったが、2007年の段階では彼女のアイドルとしての人気も収まり、結婚してしまった年だ。それでも父親松本幸四郎との共演もあり、キムタク人気も十分あったため、この映画はこの年の興行収入1位に輝いた。もし全盛期に撮影していたらもの凄い結果を残していたはずだ。
出だしはかなり大人しいが、途中から緊迫感が増し、終盤の連続どんでん返しで最後まで飽きさせない脚本はさすがである。
とくに印象的なのはラストのキスシーンだ。全盛期ならば凄い話題になったはず。
残念だったのはタモリが国会議員の役をやったこと。もう少し重厚な役者が良かった。
監督 鈴木雅之
脚本 福田靖
製作 亀山千広
音楽 服部隆之
配役
木村拓哉
松たか子
阿部寛
勝村政信
小日向文世
角野卓造
児玉清
国仲涼子
中井貴一
森田一義
イ・ビョンホン
香川照之
岸部一徳
松本幸四郎
石橋蓮司