細田守作品は「時をかける少女」以来3年ごとに劇場用アニメを製作してその都度興行収入が上がっているようだが、ネトゲを題材にした「サマーウォーズ」を除いて次第に子供を相手にしているようになった。これは劇場版「クレヨンしんちゃん」や「名探偵コナン」シリーズと比べられるべき映画だ。おそらくジブリの後釜を狙っているのだろう。

この映画も天界におけるクマ族宗氏の跡目争いをモチーフにしており、一方の孤独なクマに弟子入りした主人公九太(人間)とライバルのエリート熊の子一郎彦がともに争いに取り込まれて心にヤミを宿してしまい人間界を巻き込んで大きな災いを起こすという話。

 

話ははじめ天界だけの話だったのが、主人公が17歳になって人間界へ戻れるようになり、高校生のGFも出来る。この時点で単なるバケモノ話から現世を交えたバトル・ファンタジーに切り替わる。

これがテレビアニメなら幼なじみのGFがいる普通の高校生が異世界に召喚され第2話でバトル・ファンタジーに突入するのだが、映画だけに目先だけは変わっている。
しかし本質的な部分ではテレビアニメと何ら変わらない。

声優を俳優陣を豪華に奢った点だけは特筆できるところだ。とくに役所広司は慣れているからか、違和感は全く無かった。

ただ、興行収入の裏付けはあるが、俳優の出演コストは声優と比べものにならないほど高いから、58億という興行収入ほどには利益は出ていない。声優中心の「妖怪ウォッチ」(興行収入78億)の方が利益率は圧倒的に高いはずだ。

細田監督は富山県上市町出身と言うことでルーツは僕と同じだ。
次回作はジブリの後釜ではなく、アニメ映画「心が叫びたがってるんだ」のような大人でも楽しめる作品を期待したい。

 

監督・脚本・原作 細田守
出演者
役所広司
宮崎あおい
染谷将太
広瀬すず
山路和弘
宮野真守
山口勝平
長塚圭史
麻生久美子
津川雅彦
リリー・フランキー
大泉洋

バケモノの子 2015 スタジオ地図(東宝)

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