今期のアニメは最初こそ春だけに各社力が入っていると盛り上がったが、次第に脚本が崩壊して馬脚を現したものが殆どでした。生き残ったもののうちベスト3は次のとおり。
今春の1位は「ふらいんぐうぃっち」(JC.STAFF制作)、「のんのんびより」難民救済用アニメ。青森弘前ののどかな田舎としての美しさが詰まった作品だ。弘前の観光振興(とくに弘前城さくら祭りや弘前ねぷた祭りへの集客)にかなり役立っている。ジブリ「魔女の宅急便」他の各作品や「ハリー・ポッター」シリーズにインスパイアされた部分が大きい。しかしかなり純和風に話が置き換えられていて、ゲラゲラ笑うわけではないが、何度見ても飽きない作品。小学生マニアやケモナーマニアにも受けている。次々と現れる不審者(魔女や妖精、カオナシ)も楽しい。また使い魔(猫、ハムスター)として大物声優を起用している点も聴き所だ。ストック不足のため、しばらく二期がなさそうだが、OVAでつなぐだろう。
第2位は「ばくおん!!」(トムス・エンタテイメント制作)、順番を付けたので二位だが、同率第一位扱いで良いと思う。京アニの「けいおん!!」の女子校バイク部版みたいに見えるが、国内四大メーカー+ドゥカッティ・ジャパンほかバイク業界の完全協力を得ている点がまるで違う。
主人公たちはJKでいつも常識外れの馬鹿なことばかりしているのだが、最後は上手くまとめられて何故かしみじみさせられてしまう。また、あらゆるメーカーをやたらとdisるのだが、disってるのがJKだからか何故か憎めない。とくにスズキdisは酷いが、金髪美人の鈴ノ木凜がスズキ・マニアだから結局視聴者はスズキの奇抜なデザインを許してしまう。それも声優東山奈央の力だろうか。番組途中でスズキ自動車は実際に燃費不正問題を起こしたが、会長が謝るよりアニメだけでみそぎが終わったような気がするw。
これからどういう形で発展するのか楽しみである。二期は難しいが、OVAには必ずなるだろう。
3位は「クロムクロ」(PAワークス制作)、戦国時代のチャンバラものでありながら同時に未来ロボットもの。オリジナルアニメで連続2クールの1クール目だが、これから夏休みに向けて富山の観光資源紹介に徹していて北陸新幹線による聖地巡礼にも適したアニメ。女の子も肉付きがよくてPAワークスにしてはなかなか良いキャラデザだ。
同じ日にノイタミナ枠でよく似た主題の「甲鉄城のカバネリ」があったが、こちらは作画は手が込んでいるがアイデアに欠けた。
歌唱賞は「くまみこ」EDの「KUMAMIKO DANCING」である。「ばくおん」のキャラソンも全て候補だったが、多すぎて絞れなかった。アニメ「くまみこ」は本来ベスト3候補だったのだが、終盤のアニオリ脚本が失敗して完全脱落し、歌唱賞のみの受賞に終わった。
日常ものでは三人のJKが織りなす「三者三葉」が記憶に残った。スタイリッシュ・コメディでは「坂本ですが」、ショタコメでは「少年メイド」が良かった。
またスパイ小説のアニメ化である「ジョーカーゲーム」が渋かった。
他にもJK艦隊アニメ「ハイスクール・フリート」は「のんのんびより」原作者がキャラデザをするということで話題になり、「アルペジオ」「ガルパン」のように期待されたがオリジナル脚本が途中で完全に崩壊した。
異世界ものアニメ「Re:ゼロからの異世界生活」は素人の書いた原作がベースであるためになかなか思ったように進まず、いらいらさせられた。原作者はまず人の書いた書物を手にとって読んで欲しい。主人公は格好悪いところばかりだし、ヒロイン高橋李依の魅力も活かされていない。
「迷家」はスリラー調のオリジナル作品。水島務監督+岡田磨里脚本のコンビしかもWOWOWアニメということで期待されたが、大風呂敷を敷いた割には話が途中から全く進まなくなり終盤になり突然結論が出された感じだった。脚本家は、もっと推理小説を勉強して欲しい。