Mr.Beanことローワン・アトキンソンがドジなスパイ、ジョニー・イングリッシュに扮したスパイ・コメディの第一弾。第2作ではずいぶん髪に白いものが混じっていたが、8年前の第一作の時点ではまだ真っ黒。ヒロインは当時大人気のオーストラリア人歌手ナタリー・インブルーリア、悪役は名優ジョン・マルコビッチという豪華版だ。
この作品も第2作同様に筋書きは馬鹿馬鹿しい。フランス人大富豪パスカル・ソバージュ(ジョン・マルコビッチ)は民間刑務所の経営者だが、実は英国王位継承権を持つ男。彼は王位を継承したうえで、法改正して英国全土を世界の刑務所にする計画を持っている。彼は英国王冠を盗み出し、女王の犬を殺すと脅迫し退位させ、カンタベリー大主教の偽物を仕立てて戴冠式を強行するつもりだ。英国情報機関MI7はエイジェントたちを次々倒され最後に役立たずのジョニー・イングリッシュとベン・ミラーだけが生き残る。二人はパスカルの計画を阻止しようとするが、常にピントが外れている。それでもインターポールのローナ・キャンベル(N.インブルーリア)と共同戦線を張って果敢に立ちはだかる。
第1作も第2作同様にくだらないし、馬鹿馬鹿しいことをしているのだが、小ネタのオンパレードで絶えず笑いを取っている。
ただせっかくインブルーリアが出演し、アトキンソンもまだ若いのだからもう少しお色気を絡めるかと思ったが、アトキンソンはその方向性が嫌いなのか、常に下品な笑いに走りがちだ。このあたりがピーター・セラーズの「クルーソー警部」シリーズと違う。日本で言えば土曜8時に萩本欽一風笑いでなくドリフターズ風笑いを採ってしまう。第1作はその辺りが気に入らなかった。
ジョニー・イングリッシュ 2003 英国