本国での放送から、半年経たないうちにもうNHK-BSで放送されていた。
ラッキーと思ってみたが、放送時間1時間30分あまりだった。映画館での上映が2時間足らずだが、その中にテレビシリーズの宣伝らしきものが30分ほど含まれていたらしい。
したがってこの放送方法は不要な部分を切り捨てたものだったようだ。
ただしドラマ本体は、テレビシリーズと替わらず現代的な(妙ちきりんな)演出だった。
話は19世紀末、ウェディングドレスを着て白粉を塗りたくったリコレッティ夫人が銃を乱射したあと自殺する。
しかしそこからリコレッティ夫人の復讐劇が次々と始まる。
検視官はリコレッティ夫人の死体を縛って監視していたが、夫人は夜な夜な街に現れて男を襲う。
ある日、シャーロックはレディ・カーマイケルから子爵である夫に復讐を意味するオレンジの種子が送られてきたので守って欲しいと求められる。
しかし真夜中の密室で子爵は刺殺される。唯一の入口を見張っていたワトソンはリコレッティ夫人の姿を見る。
これだけ聞けば、だいたいの筋はわかる。陳腐なトリックだ。
その解決編はまだましだったが、現代編のモリアーティを引っ張り出して、グダグダと麻薬の話でつないでいるのは参った。
一応、第3シリーズの最後で、シャーロックが英国へ呼び戻される帰路で麻薬で眠っていたという夢オチらしい。
こっちは純粋にビクトリア朝ミステリーを楽しみにしていたのだが、現代に引っ張り戻されると興ざめになってしまった。
要はテレビで次期第4シリーズをお楽しみにということだ。
SHERLOCK / シャーロック 「忌まわしき花嫁」 2015 BBC