永井一郎サンといえば「サザエさん」の波平さんだけでなく、ありとあらゆる「おっさん役」「爺さん役」をやっていた。
どんな奇想天外な設定であっても永井サンが説明すると説得力があった。
彼の死は日本声優界にとっても大きな損失だ。
R.I.P.
大島渚監督の映画「太陽の墓場」を見たことがある。
釜が崎の日雇い労働者の役だったが、一耳で永井サンだと分かった。
聞けば京大仏文卒で電通のエリート社員から脱サラして役者をやっていたが、キンキンに誘われアメリカドラマ「スーパーマン」で声優デビューしたという。
印象に残っているのは、定番の老人役より「さるとびエッチャン」のプク役だとか、「山ねずみロッキーチャック」のピーターラビット役だ。
ピーターラビットは主人公ロッキーの友人で、おしゃべりだけど気が弱いキャラ。永井さんにはめずらしかった。
日本では著作権の関係だろうか、「うさぎのピーター」と呼んでいたが、アメリカ児童文学者ソーントン・バージェスの原作ではピーターラビットと名乗っている。
一応ピーターラビットの原作者ベアトリックス・ポッター女史(英)にソーントンはAcknowledgement を入れている。
当時はモーリス・ルブランもアルセーヌ・ルパンのライバルにシャーロック・ホームズを起用したりして今ほど縛りは強くなかったのだろう。
石ノ森章太郎原作アニメ「さるとびエッチャン」のEDは熊倉一雄が歌っているが、永井サン自身が歌っているバージョンもあるそうだ。今回は残念ながら見つからなかった。
でも波平さんの後釜をどうするのか?
これからサザエさん、舟サン、タラちゃんの後継者も育てなければならない。
最近絶不調のフジテレビのドル箱アニメだから、追悼番組を挟んで良いから、じっくり考えてほしい。
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