監督: ジョージ・ポロック
出演:
マーガレット・ラザフォード (ミス・マープル)
アーサー・ケネディ (クインパー)
マーガレット・ラザフォード(「チャップリンの伯爵夫人」)のミス・マープル・シリーズ第一弾。
原作はアガサ・クリスティの「パディントン発4時50分」
これを大胆に脚色している。
原作とは違う作品だが、これはこれで面白かった。
☆
たとえば原作では、友人のマクギリガティ夫人が殺人を目撃するが、
映画では、ミス・マープルが直接見てしまう。
おかげで原作と映画でラストが違う。
また原作では、若く賢いヒロイン役はルーシー・アイレスバロウだが、
映画では、これもミス・マープルがやっている。
彼女が、メイドに化けるのだ。
だから、ゴルフのシーンもミス・マープルがナイスショット(笑)
ラストにアッケンソープ氏(原作ではクラッケンソープ)にプロポーズされるのも、シリーズのお約束。
全くのコメディだ。
☆
“Murder, she said” と言う題は、
アンジェラ・ラズベリー演ずるドラマ「ジェシカおばさんの事件簿」の原題
“Murder, she wrote”とそっくりだ。
それだけ、この作品が欧米人に浸透しているということか。
だから「クリスタル殺人事件」でのアンジェラ・ラズベリーを見ても、
わかるように、アメリカ人はミス・マープルを誤解している。
原作を読まずに、子供の頃に見た、この映画でミス・マープル像を作っている。
(ジェラルディン・マッキーワンの新ミス・マープルでも、アメリカが資本参加している。)
アメリカ(他のヨーロッパ諸国も含めて)でのミス・マープルは、アガサお墨付きのジョーン・ヒクソンではなく、
モノクロ時代の少々お下品なマーガレット・ラザフォードなのである。
☆
アーサーケネディは、「アラビアのロレンス」、「ミクロの決死圏」に出演した名優。
マーキーワン版パディントン発4時50分
八千草薫版パディントン発4時50分
クリスタル殺人事件(1980) – goo 映画
永遠のセルマ・リッター
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