監督 ジョージ・ポロック
脚本 ジェームズ・キャベノー
原作 アガサ・クリスティ (『葬儀を終えて』)
出演
マーガレット・ラザフォード (ミス・マープル)
ロバート・モーレイ (ヘクター・エンダビー)、
フローラ・ロブソン (ミルクレスト、同じ年の「北京の55日」で西太后役、「嵐が丘」、「黒水仙」)
チャールズ・ティングウェル (クラドック警部)
ストリンガー・デイヴィス (ストリンガー)
カーチャ・ダグラス (ロザムンド・シェーン)
ロバート・アーカート (ジョージ・クロスフィールド)
マーガレット・ラザフォードのミス・マープル・シリーズ第二弾だ。
とはいえ、原作はエルキュール・ポワロが登場する「葬儀を終えて」
ミス・マープルは裕福な老人エンダビー氏に寄付を依頼するが、氏は階段から落ちて死ぬ。
猫嫌いの老人に猫をけしかけて、ショック死させた事件ではないか、とミス・マープルは考える。
殺人だと主張するマープルに対して、クラドック警部補は相手にしない。
エンダビー氏の遺言が公開される。
彼の甥ジョージ、姪ロザムンド、甥ヘクター、そして30年ぶりという妹コーラが集まる。
その場で、コーラは爆弾発言をする。
「兄は殺されたのよ。」
★
大物俳優が一人しか出ていないので、犯人当ては容易だ。
コーラが爆弾発言してくれる(原作通り)のだから、
ミス・マープルはエンダビー氏の死の現場に居合わせない方が良かった。
このように脚本の安易さが目立っている。
俳優も必ずしもキングズ・イングリッシュを使ってないし、
この映画は、てっきりアメリカ製作だと思った。
しかし当時の英国も、テレビドラマみたいな映画を作っていたのだ。
乗馬の腕を披露したり、ラストにプロポーズされるなど、ミス・マープルは大活躍だった。
わざわざE.ポワロを使わないことからわかるように、
この時代は、ミス・マープルの人気が高かったようだ。
イタリア版やスペイン版の原書カバーにも、マーガレット・ラザフォードを描いたものがあるほどだ。
永遠のセルマ・リッター
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