ドラマでは「半沢直樹」が視聴率好調である。
モデルは東京三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)大阪西支店のようだ。
銀行内部を描く企業ものは高杉良などさして珍しくない。
何故これが受けるのか?
実は、現実離れした勧善懲悪ものだと聞く。
そのあたりに対する期待かな。
原作は直木賞作家池井戸潤の「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」だそうだ。
彼は慶応ボーイだが、文学部から法学部に学士入学したので88年三菱銀行入行組である。
同じ歳の私も四年生の時も院生の時も就活で銀行へ行ったし、実際に銀行に入って人生バラ色のはずが真っ暗になった友人もいるし、その後自分も銀行合併に立ち会い資産査定もした。
だからドラマにリアリズムは全くないと知ってるけれど、見てみようかなと思わせるものが確かにある。
私の場合、それは配役の妙味だ。
支店融資課長半沢直樹を演じる堺雅人と友人近藤を演じる滝藤賢一は映画「ゴールデンスランパー」「クライマーズハイ」でも共演している。
とくに日航機事故を扱った横山秀夫原作の「クライマーズハイ」で二人はいち早く事故現場に乗り込む地元記者であり、壮絶な現場を見てメンヘラになった滝藤が自殺してしまう。
それを土台にしてみると、近藤役は大丈夫かなあ、危ないなあと先行きの不安を感ずる。
またミュージカル界の大スター石丸幹二、歌舞伎の女形ラブリンこと片岡愛之助が悪役で出ているのも楽しい。
片岡はオカマみたいなネチっこい国税査察官役だから、目立っている。
舞子ロケで堺雅人は、偽装倒産して大金を持ち逃げした宇梶剛士を得意の剣道であと一歩のところまで追い詰めるが、まさかの壇蜜(愛人役)に殴られて昏倒してしまう。
まあ、好きな女優は出ていないが、もう少し様子を見よう。
融資先の工場の様子は、かつて祖母がいた近所の工場街に少し似ている。
コリアンタウンと花街の今里新地に挟まれて、ヘドロのにおいがする泥の河の近くだった。
貧しい街で雨が降ったら昔は氾濫した。
当時は日本人も在日も肩寄せ合って生きていた。
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