万能願望機「聖杯」をめぐり、7人の魔術師(マスター)と7騎の英霊(サーヴァント)が殺し合う聖杯戦争。今回三周目を迎える第五次聖杯戦争は今まで日陰の花でしかなかった間桐桜がヒロイン。
正義の味方を目指して来た主人公・士郎が、愛する女性が悪に染まった時どんな決断をするのかに注目が集まる。
須藤友徳が監督、キャラクターデザイン、作画監督を兼ねている。間桐桜の声は下屋則子が演じる。
あらすじ
セイバーを召喚して聖杯戦争に巻き込まれた衛宮士郞は同じ高校に通う魔術師遠坂凜と教会を訪れる。教会で神父言峰綺礼から冬木市大火災が前回の聖杯戦争によるものと聞かされた士郞はセイバーと第五次聖杯戦争に参戦することを決意する。その後イリヤスフィールと現れたバーサーカーによって緒戦から士郎は重傷を負うが、セイバーに救助され自身の生命力で一命を取り留める。
夕方の校庭で弓道部の同僚だった間桐慎二がライダーに部長美綴綾子の精気を吸わせていた。それを発見した士郎はセイバーに命じてライダーを仕留める。慎二はリタイアせざるを得なかった。その後、自宅で妹の桜に当たり散らすようになったので、士郞は桜を家に一時匿う。
柳洞寺で、佐々木小次郎の化身であるアサシンが黒い影に襲われて消滅してし、キャスターと葛木宗一郎も相次いで倒される。また槍の使い手ランサーまでもが一瞬の隙を突かれて消されてしまう。はたして黒い影=真のアサシンとは何者か?
士郞と凜はネクロマンサー間桐臓硯(まとうぞうげん)と臓硯が操るキャスターと対峙する。しかし死体だったキャスターは囮でしかなく、乱入してきた黒い影の攻撃から凛を庇った士郞も人事不正に陥る。
回復してから、士郞は言峰に中華料理店に呼び出される。言峰は美味そうな麻婆豆腐を食べていた。言峰は一時休戦を申し入れ、黒い影が冬木市内で人を襲っていることと、柳洞寺が異変の本拠らしいと告げる。
セイバーと寺に向かった士郞を待っていたのは、やはり間桐臓硯だった。真のアサシンを従えていた間桐臓硯は黒い影を使ってセイバーを取り込むことに成功する。士郞とセイバーの契約関係も途切れ、士郎は孤立無縁になるが、生きていたライダーによって助けられる。
士郞は戦う力を失い、桜の待つ自宅へ帰っていく。
雑感
オリジナルは2004年に発表されたTYPE MOON製作のビジュアル・ノヴェル(伝奇ゲーム)であり、初の映像化は2006年に放映されたスタジオ・ディーン製作の「Fate/ Stay Night」である。しかし第三部Heaven’s Feel は、オリジナルの第一部F/SNや第二部UBWからかなり筋書きを変えてきた。しかも第一部や第二部と重なる部分は早送りでカットしている。これぞゲームを基にしたアニメの面白さだ。
今回のヒロインは間桐桜であるが、第三部Heaven’s Feel 第一章の時点で桜の力は未知数である。しかしライダーが生きており、桜自身は凛の実妹であり第四次聖杯戦争を描いたFate/Zero で描かれたように間桐臓硯に刻印蟲を植え付けられたため、魔術師としてかなり強力だと思う。
その一方でサーバントとしてのライダー、アサシン、キャスターがほとんど見せ場なく消えていったのは残念だ。第二章以降の復活を望みたいし、生き残ったイリアスフィールとバーサーカーさらに言峰とギルガメッシュ、凛とアーチャーの組には頑張ってほしい。
スタッフ
監督 須藤友徳
制作プロデューサー 近藤光
原作 奈須きのこ 、 TYPE-MOON
脚本 桧山彬
キャラクターデザイン 須藤友徳 、 碇谷敦 、 田畑壽之
音楽 梶浦由記
主題歌 Aimer
編集 神野学
キャラクター原案 武内崇
キャスト
衛宮士郎 杉山紀彰
間桐桜 下屋則子
間桐慎二 神谷浩史
セイバー 川澄綾子
遠坂凛 植田佳奈
藤村大河 伊藤美紀
言峰綺礼 中田譲治
間桐臓硯 津嘉山正種
美綴綾子 水沢史絵
柳洞一成 真殿光昭
衛宮切嗣 小山力也
ランサー 神奈延年
ギルガメッシュ 関智一
ライダー 浅川悠
アサシン 三木眞一郎
キャスター 田中敦子
アーチャー 諏訪部順一
葛木宗一郎 てらそままさき
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン 門脇舞以
真のアサシン 稲田徹