まず6月からNHKで人気マンガ「キングダム」がアニメ化された。
戦国時代、秦の始皇帝が中華統一を成し遂げるお話で、李信という史記にわずかしか出てこない将軍の青春時代を描いたものだ。
中国の戦争は昔から人海戦術だったようで、一人一人描いていては人件費がかさむと言うことで3DCGアニメにした。しかしアメリカの3DCGアニメと比べて数段落ちる出来だ。
富山県南砺市から良心的な作品を送り続けるP.A.Worksのオリジナル作品「TARITARI」が7月から始まった。
湘南を舞台にして廃校直前の高校の音楽部の活躍を描く。
高垣彩陽が主演だったので期待したが、同じく主演の瀬戸麻沙美と早見沙織が主に歌い、高垣彩陽が演じる役はピアノ伴奏が多かったので残念ながら歌のソロパートは少なかった。
今期、期待を良い意味で裏切ったのは、「人類は衰退しました」である。
ラノベのアニメ化であり、ほとんど中原麻衣と石塚運昇の二人芝居。
ゲスト出演者はごく少数に限られていた。
人類の人口が激減したあと、妖精が増加を始め、人類と共存している。
やがて人類は絶滅し妖精の時代が来るだろう。
彼らは頭は良いのだがピントが外れているためいつもとんだ失敗を犯す。
そんなドタバタを、社会風刺的に描いており、とても楽しませてくれた。
ただ、原作とアニメの放送される順番(時系列)が入れ替わっている理由がよくわからなかった。
ラノベからは2クールにわたってネットワークゲーマーの苦悩を描いた「ソードアートオンライン」、異星人に荒らされた後の世界を描く「トータルイクリプス」が大ヒットした。
「SAO」の主人公キリトはこの年から開始されたネットゲーム・ドラゴンクエストXで最も多く主人公の名前として用いられていた。
また「トータルイクリプス」の主題歌は倖田來未によってその年の紅白歌合戦で披露された。
1クールものでは「恋と選挙とチョコレート」が学園ハーレムもの風だが生徒会選挙を描いて面白かった。
戦国武将がみんな少女だったらという歴史IFもの「織田信奈の野望」もキャラはロリータに偏っていたが、楽しませてもらった。
異色作は部活動の男女の部員同士で性格が入れ替わってしまう「ココロコネクト」。
自分とは何か、なかなか考えさせられる作品で、地上波放送終了後、衛星放送のAT-Xで4話が追加放送された。
「超訳百人一首 うた恋い。」は藤原定家が案内役になって平安期の有名な歌人の恋のエピソードを紹介した。
ギャグを織り込みながらも、内容は古典教科書の副教材になるレベルだと思う。
古文に魅力を感じなかった子供には、目が覚めるような内容だったろう。
また一昨年は震災の影響で自粛されたようだが、昨年は季節柄なのかHな作品も見られた。
「はぐれ勇者の鬼畜美学」「だから僕は、Hができない」はヌードふんだんの作品で、しかも衛星放送で午前中放送という快挙を遂げたw
今期は漫画原作が少なかったが、その中でも「夏雪ランデブー」は佳作。
未亡人と若い青年と亡夫の幽霊の三角関係を描く大人のファンタジー。
深夜アニメらしくきわどいラブシーンも織り込まれていた。
名作「もやしもん」の続編「もやしもんリターンズ」が放送されたが、こちらは原作同様に尻すぼみの感がある。
今季のアニメ全体としては心に残る作品も多く、平均よりマシなレベル。
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