この季節はアニメの豊作だった。
まずなんといっても米沢穂信原作の学園もの推理小説「氷菓」のアニメ化された。
しかも2クールである。
京都アニメーションが飛騨高山を舞台に製作して、ふたたび聖地巡礼の一大ブームを巻き起こした。
殺人が起きない日常型ミステリなので、ミステリファンは好き嫌いがはっきり出たが、ミステリに興味がない単なるアニメファンにはボーイズミーツガールものとして素直に受け入れられた。
何しろ京アニの映像は美しい。
手抜きがない。
ここまで作り込むのか!という作画だった。
脚本も原作を忠実に、しかもドラマチックにしたもので、大満足だった。
他に漫画からのアニメ化として、日本人兄弟が揃って宇宙飛行士を目指すという漫画で人気の「宇宙兄弟」、BL女子にも人気の「黒子のバスケ」。
また日本独特の青春フェチシズムを採り上げた「謎の彼女X」、1960年代のジャズをめぐる青春を描いた「坂道のアポロン」。
バンパイヤ・ゴースト系では「黄昏少女アムネジア」、「さんかれあ」が時期を同じくして放映された。
変わり種では死の商人と戦争を憎む少年兵の交流を描いた「ヨルムンガンド」。
原作は単調な漫画だけど、アニメにするとハリウッド映画を超越してしまった。
ヘビーな内容なのに、スタイリッシュな映像と演出が格好良かった。
さらに今期を特徴付ける現象として、ネットワークゲームに耽溺する子供たちを描いた川原礫のラノベ作品のアニメ化が挙げられるが、まず今シーズンから「アクセルワールド」の第一期が始まった。
翌期から同作者の「ソード・アート・オンライン」も2クールにわたってアニメ化されて、両者は昨年のラノベ・ベストセラー1位2位を分けることになる。
「這いよれ!ニャル子さん」もラノベ作品がもとになっている。「うる星やつら」とテーマを同じくする作品。テーマソングが乗りが良いので、エンドレスにして掛けてトリップする連中も出てきたw
オリジナル作品はSphereが共同主演した「夏色キセキ」が放送された。
一部、作画を下手な下請けに任せてがっかりさせられたが、高垣彩陽の魅力が爆発していた。
新作ではないが、虚淵玄(「魔法少女まどか☆マギカ」脚本)の小説をアニメ化した「Fate/Zero」第2シーズンが三ヶ月ぶりに再開し、完結した。
「Fate/Stay Night」より以前に遡る作品であり、衛宮史郎の義父である衛宮切嗣の半生を振り返りながら、7組のマスター、サーバントの死闘が描かれる。
ブルーレイを意識したハイクオリティな映像に感動させられた。
また麻雀漫画の「咲」が阿智賀編としてサイドストーリー主体で復活。
全国大会の清澄高校とは別の山の戦いを描いている。
勝ち抜いて決勝に出てくるのは千里山か白糸台かそれとも阿智賀か。
ワンクールの予定だったが、好評につき、3話ほど延長になっていて今現在終了していない。
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