大正年間、鶴次郎(長谷川一夫)は新内の太夫、鶴八(山田五十鈴)は三味線の名コンビ。
鶴次郎は鶴八に惚れていたが、鶴八は鶴次郎の師匠の娘とあって、鶴次郎が注意しても決して折れることはない。
そういう彼女の気の強さに二の足を踏んでいた。
それでもとうとうある温泉宿で鶴次郎は気持ちを打ち明け、一緒になって二人で寄席を買おうと話し合う。
鶴八は亡き母の遺産だといって、金を工面するが、その金は実は旦那からのものだった。
そのことを知って、鶴次郎はぶち切れてしまう。
コンビは解消になり、鶴八は旦那の正妻に迎えられる。
しかし2年後、鶴八鶴次郎の復活を求める声が大きくなる。
まあ、鶴次郎が鶴八に惚れたけれども、結局手に負えないじゃじゃ馬だったので、あきらめたということだろう。
出だしは脚本がしょぼくてどうなることかと思ったが、三島雅夫が登場した当たりから、大人の芝居になってきた。
山田五十鈴は、やはり凄い人だ。
当時の大スター長谷川一夫とクレジット順位が変らないのだもの。
それに当時は美人だった。
それから忘れてはならない二人。
PCL映画の華・大川平八郎と清川玉枝が出ていた。
個性的な演技を楽しませる。
配役:
鶴次郎 長谷川一夫(太夫)
鶴八 山田五十鈴(三味線)
佐平 藤原釜足(マネジャー)
松崎 大川平八郎(旦那)
竹野 三島雅夫(興業主)
監督 成瀬巳喜男
脚本 成瀬巳喜男
原作 川口松太郎
撮影 伊藤武夫
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