寺尾聰が、横山秀男原作の映画「半落ち」で、日本アカデミー賞主演男優賞を二度目の受賞をした。
彼が、その前回に主演男優賞をとったのが、この「雨上がる」である。
脚本は黒澤明だった。
主人公は剣の達人である。
生き方が不器用であり、いまだに浪々の身だ。
木賃宿で雨に降られて、長居を余儀なくされる。
するとひょんなことから、藩主の教育係に推挙される。
主人公は大喜びだが、妻女は頭から信用しない。

日下武史(劇団四季)の朗読。
この人は、もう70を過ぎているのだが、実にうまい。
しかも早口である。
おかげで、普通の朗読者ならCD一枚で収まらないような、まったりとした長い作品を楽に読んでいる。
女の声色もいい。
映画で原田美枝子がやっていた夜鷹の役を、粋に演じている。
男役も、この人が読むと歯切れがいい。
これは映画では感じられなかったことだ。
原作は、理想的な夫婦の話である。

雨上がる 山本周五郎 新潮CD

投稿ナビゲーション


雨上がる 山本周五郎 新潮CD” への0件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です