「遺産相続は命がけ!?」は、億万長者老人の遺産相続をめぐって巻き起る親戚たちの騙し合いを描いたコンゲーム映画。1994年制作イマジン・エンタメ製作のコメディ映画で主演マイケル・J・フォックス、カーク・ダグラス、ナンシー・トラヴィス。アメリカで大ヒットしたが、日本では劇場未公開である。

あらすじ

叩き上げの大富豪ジョーは老齢で車椅子生活となり、甥姪フランク、パティ、カール、グレンが遺産分けを期待して、集まって来る。しかし彼らの意見も聞かず、ジョーはピザ配達人であった美人モリーを介護人にする。いずれ妻にするかも知れず、フランクらは従弟ダニーをジョーと同居させて監視させる。ダニーはプロボウラーでロビンと付き合っているが、腱鞘炎を患って引退後の生活を考えていたところだった。
ダニーはジョーにロビンを紹介する。ジョーはダニーに財産を贈るが、その代わりダニーの父親と縁を切れと命ずる。ダニーの父はジョーの弟だが、南米でボランティアしているようにジョーと全く生き方が違い、犬猿の仲であるため、ダニーは断る。

ジョーは認知症になっても老人ホームに入らず自宅で老後も面倒を見てくれる人間を探していると言う。そこでダニーはジョーが昔好きだったジミー・デュランテの物真似を見せるが、ロビンはジミーが財産を独占しようとしていると感じてダニーから距離を取る。

フランク連合軍とダニーが仲違いしてるのを見て、モリーは下着姿になりジョーを誘惑する。そこへダニーの父が現れ、拝金主義の息子に俺かジョーのどちらかを選べと言う。それに対してダニーは伯父を取った。モリーはそれを聞いてジョーの元を去る。ダニーはロビンに実は父でなく俳優に演技をしてもらったと得意げに語るが、ロビンはダニーの元を去ってしまう。
ジョーとダニーは弁護士の元に行き書類を作ろうとするが、そこへ本物のダニー・シニアをフランクらに連れてこられてダニーは父に説教される。しかも弁護士によるとジョーの財産どころか借金しか残っていなかった。

ダニーはロビンの元に戻り話し合って、家を売って施療院に入院している伯父を引き取ろうとする。ダニーはジョーをロビンのマンションに連れて行くが、ジョーは屋敷に帰りたいと駄々をこね、窓の外を見てみろと言う。そこには執事のダグラスと介護譜モリーが手を振っている。また騙されたのかと怒ったダニーは、もう二度と嘘をつかないと約束しろと念を押す。ジョーは約束しようと言う。そして車椅子から立ってスタスタ歩いて行く姿を、ダニーとロビンはポカンとして見送った。

雑感

「遺産相続は命がけ」はカーク・ダグラスが脳梗塞を患う直前の出演作品で、タフガイとしての最後の姿が見られる。

大富豪のジョーと、彼の遺産を狙う甥や姪が騙し騙され、最後に笑うのは誰?というコメディーである。

マイケル・J・フォックスが演じるダニーは遺産が欲しいが他の甥や姪とは違って品性下劣ではないと思い込んでいる。しかし次第に俺が伯父の後継者であり、全財産を独占しようという気持ちになる。
ダニーの彼女であるロビンは、遺産欲しさに独走を始めるダニーに愛想を尽かし一度は去ってしまう。

最も強欲な性格の従兄フランクを演じるのは,1998年実生活で妻に射殺されたフィル・ハートマン。ジョーが破産していたことを知らされた際の豹変ぶりは見ものだ。

監督ジョンサン・リンは英国出身執事グラハム役で出演している。モリー役オリヴィア・ダボ同様に重要な役だ。

最初に見られるモノクロ映画は1944年MGM映画「姉妹と水兵」(Two girls and a Sailor) のジミー・デュランテ+ハリー・ジェームズ・オーケストラの「インカ・ディンカ・ドゥー」歌唱シーンだ。この物真似をかつてダニーが得意としていたことから、ジョーに気に入られている設定だ。

スタッフ

監督 ジョナサン・リン
脚本 ババルー・マンデル、ローウェル・ガンツ
製作 ブライアン・グレイザー
製作総指揮 デヴィッド・T・フレンドリー、ジョージ・フォルシー・ジュニア
音楽 ランディ・エデルマン
撮影 ガブリエル・ベリスタイン

キャスト

ダニー:マイケル・J・フォックス
ジョー伯父:カーク・ダグラス
恋人ロビン:ナンシー・トラヴィス
介護婦モリー:オリヴィア・ダボ
執事ダグラス:ジョナサン・リン(監督)
甥フランク:フィル・ハートマン
甥カール:エド・ベグリー・ジュニア
姪パティ:コリーン・キャンプ
甥グレン:ジェレ・バーンズ
バートレット:ケヴィン・マッカーシー (弁護士役)
ダニー・シニア: フランシス・マッカーシー
パティの娘ジョリーン:キルスティン・ダンスト (子役)

遺産相続は命がけ!? Greedy 1994 イマジン・エンタメ製作 ユニバーサル配給 日本未公開 マイケル・J・フォックス、カーク・ダグラス主演

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