南軍兵士の憎しみと再生を描いた異色西部劇。
南北戦争の敗兵オミーラが、北軍への憎悪に駆り立てられ、生死を賭けた儀式を経てスー族の一員に認められる。
しかしキリスト教徒としての個人とスー族文化の間で葛藤が生ずる。
監督・製作・脚本の一人三役はサミュエル・フラー。
主演は若いロッド・スタイガー。共演も若き日のチャールズ・ブロンソンとスペインの歌姫サラ・モンティエル。テクニカラー作品。
RKOが製作した上で、配給する予定だったが、制作後倒産したので、実際の配給はユニバーサルに引き継がれた。
あらすじ
雑感
レッド・クラウドという実在のネイティブ・アメリカンが現れるので、1860年代中頃のスー族が米軍を苦しめていた後期インディアン戦争時代と考えられる。
1970年代以降はまだしも、当時としては、ネイティブ・アメリカンを苛める悪役ドリスコル中尉という構図はまだ珍しかったのではないか。
1876年に少数の兵士でスー族を襲って返り討ちに遭った、悪名高いカスター中佐を描いているようにも見える。
サラ・モンティエルの喋っている英語は流暢すぎる。実は、若き日のアンジー・ディキンソンによる吹き替え。
「矢走りの刑」のシーンをよく見ると、ロッド・スタイガーが痩せて見える。これはロッドが足を痛めたため、スタントマン(しかもネイティブ・インディアン)を使ったせいだ。
音楽のヴィクター・ヤングも直前になくなったので、ヴィクターの作曲からオードレイ・グランヴィルが選曲している。
スタッフ・キャスト
監督・製作・脚本 サミュエル・フラー
撮影 ジョゼフ・バイロック
音楽 ヴィクター・ヤング
選曲 オードレイ・グランヴィル
編集 ジーン・ファウラー・ジュニア
配役
オミーラ ロッド・スタイガー
黄色いモカシン サリタ(サラ)・モンティール
クラーク大尉 ブライアン・キース
ドリスコル中尉 ラルフ・ミーカー
ウォーキング・コヨーテ ジェイ・C・フリッペン
青いバッファロ(酋長) チャールズ・ブロンソン
狂った狼 H・M・ワイナント
アレン将軍 ティム・マッコイ
オミーラの母 オリーヴ・キャリー