警視庁物語逃亡5分前 1956 東映「警視庁物語」シリーズ第一作

8年に渡って全25話が公開された「警察庁物語」シリーズの記念すべき第一弾。一時間の白黒作品。

あらすじ

深夜、タクシー強盗殺人事件が起きる。犯人は現金を奪い逃走。
翌日同様の事件が発生し、警戒を強めていると、血染めのシャツが床屋（当時の駅付きの床屋は洗濯サービス付きだった）に持ち込まれたという通報が入る。

早速、宮川刑事が怪しい男を尾行するが、ホテルでまかれてしまう。

一方、該当する拳銃を不法所持で黒岩という男がパクられるが、吉岡刑事が所轄に付いたときは保釈された後だった。

黒岩の所在は不明だが、情婦は古本屋を開いていた。どうやらそこを連絡場所として拳銃の不法取引をしているらしい。

宮川刑事は浮浪者に扮し、拳銃の売却を持ちかける。

すると、その夜、犯人はまんまとおびき出される。

セミドキュメンタリータッチで、NETテレビ連続ドラマシリーズ「特別機動捜査隊」の原型になった作品群。今回は刑事役の南原伸二と堀雄二をとくにフィーチャーしていた。主任役は神田隆。

面白いところでは、伊藤久哉が実は東映出身であり、現代劇の悪役として活躍していたことに驚く。おそらく時代劇中心の東映では芽が出ないと言うことで、東宝に移籍したようだ。

悪役の相棒は富田仲次郎。一度見たら忘れられないガマ親分顔だ。

ステッキガールとは、戦前は散歩する紳士に同伴するお話相手というお仕事だったが、戦後は意味が変わってホテトル嬢となって売春婦の隠れ蓑になってしまった。

監督 小沢茂弘
脚本長谷川公之
企画坪井与、斎藤安代
撮影星島一郎
音楽山田栄一

配役
捜査主任 神田隆
長田刑事 堀雄二
宮川刑事 南原伸二
林刑事山本麟一
吉岡刑事花澤徳衛
金子刑事関山耕司
捜査第一課長松本克平

小磯（白マスクの男） 伊藤久哉
黒岩千造 富田仲次郎
つや星美智子
柳田久子小宮光江

警視庁物語逃亡5分前 1956 東映「警視庁物語」シリーズ第一作