1970年1月発売のシングル盤「鍵をかけないで」のB面。
先頃 亡くなった夏木陽介(1936.2.27-2018.1.14)は1960年ごろから東宝映画で新人サラリーマン役などで役がつき始めるが、1965年ごろから日本テレビにも進出し66年「青春とはなんだ」で主役の熱血英語教師野々村を演じて1年2ヶ月に及ぶ大ヒットとなる。その後「太陽野郎」では寂れた牧場を復興させる青年を演じこれもヒット。
そしてトヨタ独占提供「東京バイパス指令」に出演する。夏木陽介と竜雷太(「これが青春だ!」)という青春熱血スターがバディ・コンビを組み、国家公安委員会直属の特例捜査班に所属する特命刑事を拝命している。しかし司法警察官でないから拳銃は持てず逮捕権もない、要するに潜入捜査官(隠密)だ。ー「このドラマは身を隠し拳銃も手錠も持たず命を懸け敢然と難事件に挑戦するベテラン特命刑事の勇気と冒険の物語である」。
当時金曜日2130から2230まで「ザ・ガードマン」というTBSのお化け番組(最高視聴率40.5%)がいたから、金曜日2100開始の日テレは全く期待されていなかった。豈図らんや視聴率が伸びて1クール打ち切りが2クール、4クールと伸びて5クールまで延長された。夏木陽介にとっては「青春とはなんだ」に匹敵する大ヒットである。
5クール目は設定を変えたので随分雰囲気が変わってしまった。女特命刑事に結婚前の西田佐知子が登場し、挿入歌を歌って雰囲気を盛り上げようとした。
それが「きのうの涙」である。コテコテ歌謡曲のA面と全く違い、おそらく前年からのソフトロック・ブームに肖り、ボサノヴァ調に仕上げている。西田佐知子は意外と語学に堪能(息子を見ればわかる)でラテン曲のカバーもしていたから、こんなの楽チンである。
https://www.youtube.com/watch?v=puJWB-hY2O4
なお学園青春ものから東京バイパス指令、太陽にほえろ、大都会、傷だらけの天使、俺たちシリーズ、あぶ刑事はすべて日本テレビの岡田晋吉プロデューサーの制作力の賜物だ。(まだご存命である。)
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