監督 : 佐伯清
製作 : 青柳信雄
脚本 : 八田尚之
撮影 : 小原譲治
音楽 : 早坂文雄
配役:
高峰秀子 (看護婦北条あき子)◎
上原謙 (恋人の作曲家日高光太郎)
若原雅夫 (あき子に求婚する、お金持ち三津田剛)
宇野重吉 (日高の友人石塚守兵)
田中春男 (結核患者大町北夫)
水原久美子 (野中恵美子)
落合富子 (椿芳枝)
三村秀子 (看護婦稲葉京子)
香山みち子 (とぼけた看護婦三津いく子)
早坂文雄のワインガルトナー賞受賞を記念して彼の交響曲「虹」をもとに製作された音楽映画。
早坂は「七人の侍」など黒沢作品や溝口作品などの映画音楽家。
しかしこの映画の主人公日高同様に結核に倒れ、41歳で亡くなる。
あき子と日高は密かに愛し合っているが、日高は結核やみのため、将来のあるあき子と別れようとする。
そんなとき、以前病に倒れたところを助けてやった三津田が現れ、求婚する。
二人の間で揺れるあき子。
ある日三津田と遊園地で遊ぶあき子だったが、急な雷鳴に驚く。
以前日高と会ったときに雷で腰を抜かしたことを思い出す。
そのころ日高は作曲の疲れで喀血していた。
あき子は結婚できなくとも日高と共に生きようと、心に誓った。
☆
文字通り、あき子は処女だというわけだ。
夢のある題名と比べ、映画の内容は暗い。
男から言わせれば理想的な女性を描いているが、今の時代には実在しない女だ。男のエゴだな。
高峰秀子が美しい。
でもクールな彼女には似合わない役だと思った。
上原はいつもの上原。
指揮者ぶりも実に似合わない。
若原雅夫は当時大映の専属だったようだ。後に松竹に移り、「長崎の鐘」に主演する。
1960年ぐらいから銀幕には姿を現さなくなる。