市川雷蔵と勝新太郎ががっぷり組んだ赤穂浪士絡みの作品。
監督:森一生
脚本・伊藤大輔
原作:五味康祐
中山安兵衛(勝新)は浪人中、喧嘩の助っ人を買って出るが途中で丹下典膳(雷蔵)と出会う。喧嘩に勝って名を挙げた安兵衛は士官の口があちこちから掛かるが、その中でも上杉家家臣の妹千春に一目惚れする。
しかし千春は典膳に嫁いでしまい、安兵衛は上杉家士官を諦める。
典膳と千春は仲むつまじく暮らしていたが、恨みからかつての仲間たちに千春は襲われ、泣く泣く典膳は千春と離縁することになる。その報告に千春の実家へ行ったところが怒った兄に片手をばっさり切られてしまう。
最後は片腕の剣士となった典膳が雪の中で千春を辱めた連中と決闘を挑み、浅野家へ仕官した安兵衛が飛んできたときには千春と手を握り合って絶命していた。
旗本が上杉家に切られて事件にならないのが不思議だが、典膳が事件にしなかったのだろう。
この頃の雷蔵ものが一番美しい。カラーだし、最後の雪のシーンも良い。
だからどうしても荒事師の勝新は二番手扱いになってしまうが、この頃の脇を固める勝新も格好良くって好きだ。
でもこれもいわば忠臣蔵外伝の一つだが、何でこう悲恋ものが多いのかなあ。
薄桜記 1959 大映