あらすじ:
間崎は北海道のミッションスクールに勤める若い国語教師。女子高生の人気を集めている。同僚の女性英語教師橋本は生真面目な性格のため、間崎を敬遠しているが本心では気にしている。
間崎は三年生の江波恵子の作文を読んで強い関心を持つ。そして修学旅行に随行する間にその関心を一層深める。
一方、恵子は橋本に対する嫉妬から間崎と関係したかのように言いふらす。その上、夜中に家を飛び出し夜中に間崎の下宿を訪れる。困った間崎は橋本に恵子を泊めてやってくれと頼むがにべもなく断られる。そこで飲み屋をしている江波の母を訪れるが、喧嘩に巻き込まれ大怪我を負う。間崎は恵子宅で冬休みの間、看病されるうちに同情が高じてついに恵子に結婚を申し込む。
しかし三学期に入り、かえって恵子の行動は大胆になり、卒業式の日に間崎は怒りで爆発する。
感想:
石坂洋次郎の戦前の原作だが、市川崑は一種のホラーとして解釈した。恋愛に至らない同情のいかに恐ろしいかをよく表現している。当時、二人は仕方なく結婚させられただろう。現代なら式場当日キャンセルか。
島崎雪子は美人の大根役者だが、今回は恐ろしい役をよく演じていた。母親(杉村春子)の癇性を受け継いでいたし、次第に狂気に走って行く様も自然だった。間崎(池部良)はここに至って橋本が自分に忠告してくれたことの意味を知ることになる。
監督・脚本 市川崑
脚本 和田夏十 内藤直也
原作 石坂洋次郎
配役
池部良
島崎雪子
久慈あさみ
杉村春子
斎藤達雄
伊藤雄之助
三好栄子
南美江
沢村貞子
小沢栄
若い人 1952 東宝