東映時代劇では久々の快作である。
だいたい東映は藤沢周平を採り上げていないのが不思議だった。

 

 
娘は剣の達人。
たった一度だけ竹刀を交えた男が忘れられず、縁談に乗り気になれない。
やがて江戸勤めとなったその男は仕事でミスを犯して自刃する。
裏に隠された藩重役の奸計を許嫁から知らされた娘は一人重役と立ち会う。

 

 
北川が最後に悪者をバッサリとやって、すかっとした。
ただし、最初のシーンでの所作、そして許嫁と歩くシーンの北川が硬くて残念だった。

 
甲本雅裕はにっこりするだけの許嫁だが、非常に好演。
郡代の五男坊から江戸詰になったのだから、そうとうの切れ者だったはずだが、そういう部分をおくびにも見せない。
いとと孫四郎との関係についても、彼は男の度量の広さを見せていた。

 

 
監督 中西健二
脚本 長谷川康夫、飯田健三郎
原作 藤沢周平

 

 
出演:
北川景子
甲本雅裕
宮尾俊太郎(本職はバレエダンサー。道理で演技はひどかった。)
市川亀治郎(藩重役)
國村隼(父)

花のあと 2010 東映

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