「靴みがき」についで、ビットリオ・デシーカ監督が素人を起用した二作目。
アカデミー外国語映画賞を獲得した。
ネオ・レアリズモ映画だが、哀しくもあり、おかしくもある。
正直言って、何度か見ているうちに、最後は笑ってしまう。
ここまで人間の惨めさを突き詰められると、笑うしかない。
幸い、誰も逮捕されず刑務所にも入らない。
ただプライドが傷つくだけである。
アントニオだけではない。
当時の多くのイタリア人がそうだったはず。
そして自分の仲間の元に帰れば、みんなが慰めてくれる。
家に帰れば、女房は怒って口をきかない(笑)
ふと思う。
この映画の主人公は、私かもしれない。あなたかもしれない。
惨めな思いをしたことがあれば、誰もが主人公ではないか。
イタリアは敗戦国だったので、黒澤明「酔いどれ天使」などと一緒に評価される。
黒澤明もリアリズムのなかに、普遍性を求めたのではないかな。
林芙美子に「風琴と魚の町」という短編がある。
舞台は尾道。極貧少女時代の自伝的作品だ。
インチキ商売がばれて、娘の目前で父親は、警官に何発もびんたを食らわされるところで終る。
この小説と比べると、映画「自転車泥棒」は救いがある。
監督
ビットリオ・デシーカ
脚本
チェザーレ・ザヴァッティーニ
音楽
アレサンドロ・チコニーニ
撮影
カルロ・モントゥオーリ
出演
ランベルト・マジョラーニ(父アントニオ)
エンツォ・スタヨーラ(息子ブルーノ)
リアネラ・カレル(母マリア)

自転車泥棒 1948 イタリア

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  2. ★「自転車泥棒」、弱者の敵は弱者★

    「自転車泥棒」(1948) 伊 LADRI DI BICICLETTETHE BICYCLE THIEF[米] 監督:ヴィットリオ・デ・シーカ製作:ヴィットリオ・デ・シーカ原作:ルイジ・バルトリーニ脚本:チェザーレ・ザヴァッティーニスーゾ・チェッキ・ダミーコ撮影:カルロ・モンテュオリ音楽:アレ…….

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