中学校からの帰り道、町の電気屋があった。
多分、ナショナルショップだったと思う。
その店の前に無造作にテレビが捨てられていた。
しかもそのテレビは真空管方式だった。
大体が5極管、複合管といったMT管を使っていて、3極管は滅多に見なかった。
真空管というのは破裂すると、発火しないがボッと言う爆発音がする。
それが面白くて、当時所属していた理科部の連中でコンクリートの壁に向かって小さなMT管を投げて爆発させたものだ。
今から思えば何であのとき、その真空管を取っておかなかったのか?と後悔している。
国産で品質の良いMT管12AX7ならいまだにギターアンプやオーディオアンプに引っ張りだこで、ペア数千円するからだ。
電気屋の店主も古いTVを放置しておけば学生が勝手にばらしてくれると考えていたようだ。
自分がドブに金を捨てていることなど考えもしなかっただろう。
プロでもそうなのだから仕方がない。
真空管投げ