映画は題名の通り、逗子開成高校も出てくるが、1935年松竹作品や1954年大映作品と違ってあのボート遭難事故を描いているわけではない。
戦前太宰治が井伏鱒二の仲人で美知子と結婚してからの安定期に書いた短編「葉桜と魔笛」を、森永健次郎監督が逗子を舞台にして現代風にアレンジした作品。
姉妹役の芦川いづみ、吉永小百合W主演で小高雄二、宮口精二、浜田光夫、岡村文子共演。
白黒映画。
姉妹役の芦川いづみ、吉永小百合W主演で小高雄二、宮口精二、浜田光夫、岡村文子共演。
白黒映画。
あらすじ
洋裁学校の教師梢の妹である梓は、18歳だが白血病を病み学校へも行けず自宅療養の身だ。
しかし暖かくなってきて梓は海に入ったり、上京したりして元気になったようだ。
ある日、妹へ届く手紙が実は決まった男性からの物だと梢は気付く。体を案じる姉は、妹に厳しく注意する。
しかし暖かくなってきて梓は海に入ったり、上京したりして元気になったようだ。
ある日、妹へ届く手紙が実は決まった男性からの物だと梢は気付く。体を案じる姉は、妹に厳しく注意する。
しかし秋風が吹く頃、梓は床に伏せることが多くなった。
父と医者の話を聞いてしまった梢は、妹の余命があと僅かだと知る。
手紙の主を妹と何とか会わせてあげようと梢は奔走するが・・・
父と医者の話を聞いてしまった梢は、妹の余命があと僅かだと知る。
手紙の主を妹と何とか会わせてあげようと梢は奔走するが・・・
雑感
DVDのジャケットを見ていると二人が百合っぽいが、あくまで純粋な姉妹愛の物語である。ラストの見せ場は吉永が表情だけで持って行ってしまい、出番の多かった芦川は引き立て役に過ぎない。当時は吉永が人気で引っ張りだこであり、仕方がないことだ。
ただイヅミストから言わせれば、控え目の芦川とおきゃんな吉永の姉妹映画は、芦川にこそ見所がある。歳を取ってから見直しても全く飽きない。芦川の演技が深いのだ。さすが日活初期女優で月丘夢路、新珠三千代、北原三枝に次ぐキャリアの持ち主である。
オーディオコメンタリーを聞いたが、芦川は「美しい暦」のことばかり覚えていてこっちはあまり覚えていなかった。吉永の推薦文によると、吉永の方がこの映画について覚えていたようだ。
スタッフ・キャスト
監督 森永健次郎
原作 太宰治(短編小説「葉桜と魔笛」)
脚本 須藤勝人
企画 芦田正蔵
撮影 松橋梅夫
音楽 渡辺宙明
配役
磯村修平 宮口精二
磯村梢 芦川いづみ
磯村梓 吉永小百合
山上裕康 小高雄二
富田一夫 浜田光夫
吉川さと 岡村文子
真白き富士の嶺 1963 日活 芦川いづみ、吉永小百合W主演で太宰治原作「葉桜と魔笛」