武道の達人たちが、日本に進出しようとする麻薬密売シンジケートと戦うアクション映画
脚本・監督は石井輝男、撮影は山沢義一が担当した。
主演は千葉真一、共演は池部良、佐藤允、郷英治、中島ゆたか、倉田保昭、津川雅彦。カラー映画。

あらすじ

警視総監の嵐山は、米国からやって来た麻薬密輸シンジケートの検挙に失敗して辞職したが、退職後もシンジケートを追跡していた。麻薬は、某国大使の娘マーガレットに外交官特権で持ち込ませていた。
嵐山は、敵の本拠地に殴り込むため三人の凄腕を金で雇った。今は殺し屋だが、元は嵐山の部下だった隼猛、甲賀忍法宗家である甲賀竜一、元合気道師範で殺人を犯し死刑になる桜一郎の三人だ。嵐山の美人秘書・恵美が連絡役で、集められた三人は、行動を開始する。

シンジケートの日本代表は、マリオ・水原という二世の男だ。嵐山の動きをキャッチした水原は、ニューヨークから、殺人ボクサーのブレーザー西山などの外国人用心棒を呼んで対抗した。隼は、後輩で空手道場師範代の倉山田に応援を依頼した。

麻薬取引の日、水原の別荘に忍び込んだ甲賀は、西山と戦うが、水原に隙を突かれて捕えられる・・・。

若き日の真田広之

雑感

千葉真一主演のコミカル・アクション映画
筋だけ見るとシリアスだが、石井輝雄監督自らの脚本だもの、劇画的な笑いの場面の方が圧倒的に多い。
特に日活では強面だった郷鍈治が東映ではコメディ・リリーフを担当している。
敵なのに、敵に殺されてしまうブレーザー西山役の西城正三(1968年WBAフェザー級チャンプ、日本人で初めて外国(ロス)でのタイトルマッチに勝ったプロボクシング選手)と千葉真一のスパーリングぐらい見せて欲しかった。
津川雅彦は、子役から30年も映画に出ていて主役も演じていたのに、この頃は東映でヒールの日系マフィア役を演じていた。こういう苦労が花開いて、10年後、伊丹十三監督にたびたび起用されて大スターとして復活する。これも朝丘雪路と結婚し子供を授かるが、その娘が誘拐される事件が起き(無事解決)、それ以来仕事を選ばなくなったおかげだ。

スタッフ

企画  矢部恒、坂上順
脚本、監督  石井輝男
撮影  山沢義一
音楽  鏑木創

 

キャスト

甲賀竜一  千葉真一
少年時代の竜一  下沢宏之(現・真田広之
嵐山  池部良
隼猛  佐藤允
桜一郎  郷英治
恵美  中島ゆたか
倉山田  倉田保昭
甲賀白雲斎  水島道太郎
マリオ・水原  津川雅彦
ジャガー光田  白石襄
コンドル  J・ハーマンソン
ルーイン  W・ドーシー
カリー  J・フェロー
毛  斎藤一之
ローンウルフ  安岡力也
レオーネ  G・イリキアン
カローネ  B・ヨハンソン
ゴールデン・タイガー 団巌
クレージー・ハーディ原田力
陳文昌  日尾孝司
マーガレット  リンダ
親分  名和宏
ボス  室田日出男
館長  河合絃司
ブレーザー・西山  西城正三

***

だが、水原の甲賀に対する拷問方法に疑問を感じた西山は反発する。その結果、卑怯な手を使って水原は、西山を嬲り殺す。その隙を見て、甲賀は、隼とともに麻薬の鞄を奪った。倉山田は、マフィアの奴らをよく倒したが、多勢に無勢でついに命尽き果てる。
甲賀、隼は、別荘から車で脱出した。水原は、残った幹部とともに追う。やがて断崖で、死闘の末、水原とマーガレットは海に身を投げ、隼たちは麻薬組織を壊滅させた。

直撃!地獄拳 1976 東映東京製作 東映配給 香港カンフー映画に影響された石井輝男監督のコミカル・アクション

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