1469年、李氏朝鮮の第8代国王睿宗（イェジョン）が天才的記憶力を持った隠密史官イソを連れて、漢陽の町で起きた怪奇事件を推理する韓国版「暴れん坊将軍」。
監督はムン・ヒョンソンで、主役睿宗にイ・ソンキョン、史官ユン・イソにアン・ジェホンを起用。
あらすじ
優れた記憶力を持ち、科挙をトップで合格して史官になることが出来たユン・イソは国王睿宗に自分に付き従い補佐せよと命ずる。白昼、漢陽の町で男が頭から燃える事件が起きる。卓越した科学力で白リンのせいだと見抜いた国王睿宗は、裏で陰謀が動いていると悟る。続いて湖で巨大魚が現れる。睿宗は早速行幸するが、その巨大魚が現れる。ユン・イソは船が転覆した後、魚の下に亀のようなものを見る。一方、漢陽では貴族たちが国王の甥を立てて、クーデターを計画している。
睿宗が調べさせた結果、世に出られなかった科学者の遺した書物に巨大魚＝潜水艇だと書かれてあり、その娘が某所に暮らしていることを知る。そしてユン・イソを連れてその小屋を訪れると、潜水艇と巨大魚の被り物があった。そのとき、娘が現れ、二人を幽閉して爆弾の導火線を付けて去る。小屋は木っ端微塵に爆発し、革命の首謀者ナム・ゴンヒはほくそ笑む。
ところが翌日、睿宗は何気ない顔で登城し、革命派の貴族を慌てさせる。彼らはついに睿宗を直接毒殺しようとする。解毒剤は無事見つかるが、しばらく起きられない。ユン・イソは革命派から睿宗を守るため、避難するが、そこにもナム・ゴンヒの魔の手が迫る。隠密のフ・ウンも倒され、危機一髪というところで睿宗は復活して、ナム・ゴンヒを一刀のもとに切り捨てる。
雑感
巨大魚の話は、ビリー・ワイルダー監督「シャーロック・ホームズの冒険」に出てきたネス湖のネッシーだな。
とは言え、僅か19歳で夭折した国王をヒーローにして良くこんな「旗本退屈男」のような話を作るものだ。ある意味、韓国らしい創造力豊かな歴史ファンタジー映画だ。
次の9代国王世宗の方が治世が長かったから、作りやすかったのではないか。
日本でも「暴れん坊将軍」を劇場版にすれば、もっと奇想天外なものが作れただろうに。
今回は続編を作る気満々の映画だった。ターゲットは若い女性ファンで、おっさんが見ても若い女の子はあまり出番が無く見所は少ない。
スタッフ・キャスト
監督 ムン・ヒョンソン
製作 ユン・ホンジュン等
脚本 カン・ヒョンスン等
原作 ヘオ・ユンミ「임금님의 사건수첩」
音楽 キム・テスン
撮影 キム・ドンヤン
配役
睿宗 イ・ソンキョン
ユン・イソ アン・ジェホン
ナム・ゴンヒ キム・ヒウォン
ソンハ キョン・ソージン