Pと読める差出人からの助けを求めるボトルメールが特捜部に持ち込まれる。カールはうつ病で休暇を取っていたが、事件と聞き働く気力を取り戻す。
英題の意味は「信仰への疑惑」、神は存在不存在と信仰心という問題に挑戦する、壮大なテーマの作品。
原作はユッシ・オーズラ・オールセン。
監督はハンス・ペター・モランドがシリーズ初登場。
レギュラー主演はニコライ・リー・カス、ファレス・ファレス、ヨハネ・ルイーズ・シュミット、共演はポール・スヴェーレ・ハーゲン。
あらすじ
Pで始まる名前の子供によって書かれたボトルメッセージがスコットランドからコペンハーゲンの特捜部Qに届く。調べると誘拐された「エホバの証人」の子供で幼かったポウルとトレクヴェ兄弟と判明する。8年後の弟トレクヴェは犯人がポウルを殺害した上で解放されたと証言する。
一方、「イエスの弟子」の信者イーリアス夫妻の幼い子供マウダリーナとセームエルが伝道師ヨハネスに誘拐される。他言すれば殺害すると夫婦は脅され捜索願いを出していない。しかし目撃情報が所轄署リーナ刑事を通して特捜部に報告される。連続誘拐事件と踏んだカールとアサドはイーリアス夫妻を説得し、身代金の受け渡しに警察を大々的に介入させる。列車から金を投げ捨てる受け渡し方法を使うが、イーリアスはすぐ犯人を追って飛び下り、ヨハネスに刺される。カールとアサドは目前でヨハネスを取り逃がし批難される。ヨハネスは大胆不敵にもイーリアスの入院する病院に現れ、イーリアスを殺害し、カールを拉致して逃亡する。カールはヨハネスのアジトの船小屋で幼児2人と共に監禁されるが、ヨハネスはカールの目前で弟セームエルを水に沈めてしまう。マウダリーナに自分を殺して悪魔の子となれと迫るが、アサドがその時やってきて、格闘となり、ヨハネスはアサドに倒される。カールはセムエルを水中から救出して、人工呼吸をして助ける。
死亡の確定したポウルの葬儀が行われる。カールは殊勝にも賛美歌を歌おうとするが、涙で声にならなかった。
雑感
シリーズ最高傑作だ。
日本人からすると、神に対してイスラム教徒(アサド)がこんなに柔軟な考え方を持っているとは思いもしなかった。
信仰心とは心の支えであり、できるかできないかは別にして目の前の人が困っているのを救おうとするものだ。カールは普段神はいないと毒付いているが、目の前で子供が殺されそうになったら、自分の身を投げ打って助けたいと思う。したがってカールにまだ信仰心があることを犯人(悪魔の子)に見抜かれる。
スタッフ・キャスト
監督 ハンス・ペター・モランド
製作 ルイーズ・ヴェス
原作 ユッシ・ オーズラ・オルセン
脚本 ニコライ・アーセル
音楽 ニクラス・シュミット
撮影 ジョン・アンドレアス・アンダーセン
キャスト
ニコライ・リー・カス カール・マルク刑事
ファレス・ファレス アサド刑事
ポール・スヴェレ・ハーゲン ヨハネス伝道師
ヤコブ・ウルリッヒ・ローマン 夫イーリアス
アマンダ・コリン 妻ラケル
ヨハネ・ルイーズ・シャミット 秘書ローゼ
ソレン・ピルマーク マーカス・ヤコブソン課長