2004年03月08日(月)  No.172
監督 : 市川崑
製作 : 永田雅一
原作 : 三島由紀夫 ◎
脚色 : 和田夏十 / 長谷部慶次
撮影 : 宮川一夫
音楽 : 黛敏郎
 

配役:
市川雷蔵 (溝口吾市、どもり)
仲代達矢 (戸苅、かたわの友人)
中村鴈治郎 (田山道詮老師、愛人を作って悩んでる)
浦路洋子 (洋館の娘、戸狩の女)
中村玉緒 (五番町の遊郭の女)
新珠三千代 (花の師匠、戸狩の女)
信欣三 (陰険な副司)
北林谷栄 (浮気した母あき)
 

有名な三島由紀夫の小節「金閣寺」の映画化。
金閣を模した驟閣寺が舞台。
若い僧侶が驟閣の美しい姿にあこがれ、やがてそれを取り巻く僧侶や母親、学友の醜い姿に幻滅して、寺に放火し逮捕され、自殺するまでを描く。
 

この作品は障害者の性がフィーチャーされているし、原作も難しい仏教用語の羅列であり、映画化するのは困難だったと思う。
三島の原作と比べると、つっこみ不足を感ずる。
犯人溝口の腹の中で、何が変わっていったのか、もう少し突っ込んで描いて欲しかった。
 

テーマの一つに虚無・絶望感があったと思うんだけど、市川雷蔵の演技からは絶望は読めなかったな。
もう少し、敏感な演技を見たかった。
その点、仲代達也の方は鋭く達者だった。
北林谷栄(母親)の役は原作にはない。
監督市川昆とカメラマン宮川一夫のコンビなので、白黒ながらいい絵を使っていた。

炎上 1958 大映

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