(△)記憶喪失になって身元不明になったヒロインに降り懸かるハプニングを描くラヴ・コメディ映画。
製作総指揮は執事役を務めるつとめる怪優ロディ・マクドウォールで、レスリー・ディクソンの脚本をゲーリー・マーシャルが監督する。
撮影はジョン・A・アロンゾ。
主演はゴールディ・ホーンと実生活で当時彼女のパートナーだったカート・ラッセル。
共演はエドワード・ハーマンなど。
雑感
「潮風のいたずら」は、当時日本でも少しヒットした。
ゴールディ・ホーンは、当時もう若くはないが、前半は見事なプロポーションを維持していて、後半の山男のもっさりした女房姿のコントラストが目を惹く。
しかも、前半はまるで貴族のような高慢ちきな女役で、後半は気っぷの良い四人の母親役を見事に演じ分ける。
こんな映画に出なくても、アカデミー主演女優賞を目指せば良かったのにと思う。
この後、彼女は滅多に映画に現れなくなる。
キャスト
ゴールディ・ホーン ジョアンナ・アニー
カート・ラッセル 山の大工ディーン・プロフィット
エドワード・ハーマン 夫グラント・スタントン三世
キャサリン・ヘルモンド 実母エディット・ミンツ
マイケル・ハガティル 親友ビリー・プラット
ロディ・マクドウォール 執事アンドリュー
スタッフ
製作総指揮 ロディ・マクドウォール
製作 アレクサンドラ・ローズ、アンシア・シルバート
監督 ゲイリー・マーシャル
脚本 レスリー・ディクソン
撮影 ジョン・A・アロンゾ
音楽 アラン・シルヴェストリ
ストーリー
オレゴン州のエルク・コーブ。
豪華なプレジャー・ボートが入港した。裕福なグラント(エドワード・ハーマン)と妻ジョアンナ(ゴールディ・ホーン)が乗っている「汚れなき天使」号で、修繕のために停泊している。
ジョアンナは美人だが、全く他人のことを考えないタイプなので、執事は彼女を持てあましていた。家具の修繕工事に呼んだ大工ディーン・プロフィット(カート・ラッセル)の仕事にも文句を付けてビタ一文払わないと言い、ディーンを海に突き落としてしまう。
ジョアンナは闇夜に指輪をなくしてデッキで探しているとき、間違って海に落ちてしまう。地元の漁師が救出するが、彼女は記憶を失っていた。夫グラントは、テレビで彼女のことを知るが、これ幸いと酒池肉林騒ぎをしている。
彼女に恨みがあるディーンは、妻亡き後四人の息子の世話に疲れていたので、彼女を家政婦代わりにこき使おうと思い、夫と言って警察に名乗り出る。ジョアンナは、ディーンの山小屋に到着して、トラビスを筆頭に双子のグレッグとチャーリー、そしてジョーの4人が「ママ、ママ」と大合唱して歓待した・・・。
ジョアンナは、朝の食事の子供たちの弁当の用意からはじまって、掃除、洗濯などと家庭の主婦としての苦労を味わう。しかも、夜はソファで寝る羽目になってしまう。
次第に、子供達はジョアンナを母として愛するようになる。ディーンもそんな彼女に優しく接し、2人は結ばれる。
しかし、義母に急かされたグラントがディーンらの前に現れ、ジョアンナの記憶が甦る。グラントのリムジンは、非情にもジョアンナと子供たちを引き離す。ディーンと子供たちは、ジョアンナを取り戻すために、友人とともにジョアンナの乗せられたボートを追いかけた。救助された彼女は、愛のないグラントと離婚して子供たちを選ぶ。グラントはこれで無一文になった。実は、全財産は彼女のものだったのだ。