2004年01月12日(月)
No.106
監督 : 岡本喜八
製作 : 藤本真澄 / 金子正且
原作 : 山口瞳
脚色 : 井手俊郎
撮影 : 村井博
音楽 : 佐藤勝
美術 : 浜上兵衛
編集 : 黒岩義民
録音 : 矢野口文雄
配役:
小林桂樹 (江分利満)
新珠三千代 (夏子)
矢内茂 (庄助)
東野英治郎 (明治)
英百合子 (みよ)○
横山道代 (矢口純子)▲
中丸忠雄 (佐久間正一)
ジェリー伊藤 (ピート)
松村達雄 (赤羽常務)
桜井浩子 (泉俊子)△
二瓶正也 (田代)
江分利満はサントリーの広告部員、
さして期待されているわけでもなく、誰か飲み屋に誘ってくれないかなあと思い今日も働いている。
ある日飲み屋で意気投合した女性誌の編集部員に無理矢理小説を書かされることになる。
何を書くか迷うが、女性誌だからどこにでもいるサラリーマンの話が面白いだろうと、自分の毎日や母の死、父の落魄を描く。
それがなんと直木賞をとってしまう。
山口瞳の小説とその後の直木賞受賞の騒動を映画化。
1963年頃の社宅の生活ぶりが懐かしい。
家の前が舗装前で砂利道だったり。
あの頃貸本は10円だったんだなあ。
神奈川の話だが、数年後には大阪神戸にもああいう社宅がドット出来た。
三菱重工の家族用マンションは未だにある。
一つ難を言うと、岡本監督はペース配分を間違っているのではないか。
最後の見せ場(当時のサラリーマンが戦争の生き残りだったこと)に来る前が冗長で、緊張感がとぎれた。
新珠三千代は、思っているよりずっとうまい女優だ。「小早川家の秋」とか、家庭の主婦やらせたら、この人の右に出る人はない。
ちなみに同じサントリー出身の開高健(芥川賞)に似た人はいなかった。