松本清張の作品解説本だ。最近はこういう本が良く出る。
清張は朝日新聞の広告デザイナーだったというのは、いまではトリビアになるのではないか。「点と線」や「ゼロの焦点」もよく考えれば、デザイナーならではの題名である。
「張込み」のところに、清張映画に関して書いてある。この著者の意見「『張込み』は映画としても素晴らしい。松竹らしい映画である」には賛成しない。
「張込み」は小説で十分だ。映画だと余計なことまで説明しなければならない。映画は原作と離れて見るべきだ。
著者の清張作品選択は、ずいぶんと偏っている感がある。もう少し、短編小説を選んで欲しかった。時代劇は作者自身も好んでいたようだが、清張の時代小説はやや、救いがない。
ライブドアから再掲示。
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