「トレンスポッティング」で一躍有名になったダニーボイル監督のアメリカ進出第一弾、邦題「普通じゃない」。主演にやはりユアン・マクレガーを起用して相手役の切れる令嬢には、キャメロン・ディアス。彼らのキューピット役になる、ホリーハンター(「ピアノレッスン」でアカデミー主演女優賞)のミニスカート姿にはビックリというか、ぞっとするというか。
大天使ガブリエルは、部下の天使オライリー(ホリーハンター)とジャクソンを呼びつけた。最近、地上では愛が少ない。どう見たって釣り合いのとれない男女を豊かな愛情でくっつけよ。でなきゃあ、天国に帰ってくるな。
ロバート(Eマクレガー)は、しがない掃除夫。しかもロボット化のあおりを受けて解雇される。怒ったロバートは社長(サー・イアン・ホルム)の所へ怒鳴り込むが、ひょんなことからその場にいた社長令嬢(Cディアス)を誘拐して逃げる羽目に。ふたりは山小屋に隠れる。ちょっと気の弱いロバートは次第に後悔の念に襲われ、娘を解放しようとする。しかし父親に反発しており、頭の回転も速い令嬢は、この機会にケチな父親から大金を巻き上げてやろうと、彼を利用して、たきつける。
人間に化けた、オライリーとジャクソンは、社長に取り入り、ふたりを追う賞金稼ぎとなる。二人をピンチに陥れたうえで、協力して危機を脱出させて、二人の間に愛情を生み出そうと考えたのだ。彼らは見事に危機を脱したが、身代金を取り損ねたセリーヌは、満足できず、銀行強盗を企てロバートが代わりに撃たれてしまう。セリーヌは、彼を助けようと、昔の恋人である医師を頼るが、ロバートは、昔の恋人と仲むつまじい彼女を見て、誤解してしまい、別れてしまう。
二人の破局に慌てた天使達は、どうせ天国に戻れないのであれば、地上でリッチな生活をしようと、セリーヌを誘拐してしまう。ロバートは、ようやくセリーヌへの愛に目覚め、彼女の救出に向かうが、そこに社長のし向けた殺し屋も現れ、大混乱。
勢いのある二人の共演ということで、なかなか楽しめる作品だが、最後のまとめ方が、ちょっと物足りない。緊張感が無いわけではないが、冗長だ。どうも監督がハリウッドらしい映画のまとめ方に反発して、自分らしさを出したかったのかなあと思うが。
キャメロンは、スタイル抜群だ。しかし、「マイベストフレンズウェディング」に続き、自ら歌うシーンがあるが、やっぱり下手だった(笑)キャメロンファンとユアンファンにはお薦めできる作品である。