ルイス・ブニュエル監督がジョセフ・ケッセルの同名小説(1929)をもとに映画化した問題作。
主演は体当たり演技のカトリーヌ・ドヌーヴ。共演はミシェル・ピコリ、ジャン・ソレル。
あらすじ
セブリーヌは優秀な医師の貞淑な妻だが、大きな闇を抱えていた。子供の頃、粗野な労働者にイタズラされて以来毎夜淫靡な夢にうなされ、ついに不感症になったのだ。夫はそれを知りながら妻を愛していたので、セブリーヌは申し訳なかった。
セブリーヌは友人からある日、上流階級の妻たちが娼館で売春をしていると聞き、興味を持つ。思い切って立ち寄るとアナイスが迎えてくれる。
何度か通ううちに、筋肉を誇る東洋系の男に押し倒され、何度も荒々しく求められる。そのとき、彼女は初めて性の喜びを知る。
やばい仕事をしているマルセルという不良少年が客に付く。彼はセブリーヌにのめり込み、やがて夫と別れろと言い始める。そこに及んで、彼女はこの商売から身を引くことにした。
ところがマルセルは自宅にまで押し寄せ、ついに夫に向けて銃を放つ。マルセルは逃げる途中、交通事故で死に、夫は頸から下が不随となる。
今日も彼女は夫の介護をしながら、妄想の世界に迷い込む。
雑感
何度も見たから、今さら新しい発見はなかったが、不感症の治療を何故医師である夫は試さなかったのか、不思議である。
最後は夢落ちではなく、主人公が夢に逃避して終わる。
フランス五月革命などの時代背景と剥離しているのも、何故なのだろう。
スタッフ・キャスト
監督 ルイス・ブニュエル
製作 ロベール・アキム 、 レイモン・アキム
原作 ジョゼフ・ケッセル
脚色 ルイス・ブニュエル 、 ジャン・クロード・カリエール
撮影 サッシャ・ヴィエルニー
配役
セブリーヌ カトリーヌ・ドヌーヴ
ピエール ジャン・ソレル
アンリ ミシェル・ピコリ
アナイス夫人 ジュヌヴィエーヴ・パージュ
マルセル ピエール・クレマンティ
昼顔 Belle de jour 1967 フランス・イタリア合作 東和配給