二人の老ガンマンは、悪党どもから金塊を守ることができるか?
映画「荒野のガンマン」に次ぐサム・ペキンパー監督第二回作品。
ヒッチコック作品「海外特派員」に主演した大スター、ジョエル・マクリーと西部劇スター、ランドルフ・スコットが共演した非常に貴重な西部劇。ランドルフ・スコットにとっては引退作でもある。(カラー作品)
あらすじ
元保安官ジャッド(ジョエル・マクリー)は今では銀行の老警備員。今回の仕事は、カリフォルニアの金鉱から金を持ち帰ることだ。誰か手伝いが必要だった。そんなとき、かつての保安官助手ギル(ランドルフ・スコット)と若者ヘックと会ったので、彼らを連れて行くことにした。しかしギルは隙あらば金を盗むつもりだった。
三人は鉱山へ行く途中で父娘の住む家で泊まる。娘エルサ(マリエット・ハートレイ=デビュー作)は恋人ビリーと結婚したかったが、父が許さない。そこでヘックに頼んで一行に加えてもらう。
金鉱山でエルサはビリーと結婚式を挙げたが、ビリーの兄弟があまりちょっかいを出す。エルサは気味が悪くなって早速離婚を申し立てた。そして町へ戻る三人について逃げ出した。エルサの家に着くと、すでにビリーが父親を殺していた。ジャッドらは敵を倒すが、ジャッド自身も致命傷を負った。死ぬ直前、ギルは金を横取りせず銀行に届けることを約束した。
雑感
様々な俳優や演出家に影響を与えた、バイオレンス派のサム・ペキンパー監督にしては、老ガンマンたちの生き様と死に様を描いているため、比較的おとなしい作品。
ジョエル・マクリーは戦前に「サリヴァンの旅」「大平原」などにも主演している。ランドルフ・スコットは戦前から長く活躍して、主にB級西部劇に主演した。どちらもビッグ・ネームだからクレジットの序列決めが大変だったろうが、主演のジョエルが客演のランドルフに最初のクレジットを譲った。それだけジョエルが共演を強く望んでいたんだろう。
アメリカ本国での興行成績は振るわず赤字に終わったが、やがてこの二人が共演する意味の重大さがわかり、次第にカルト的人気が出たためアメリカ議会図書館の国立フィルム登録簿に選ばれている。
この映画を見て,チャールトン・ヘストンは;ペキンパー監督に次回作「ダンディー少佐」の監督を依頼する。
スタッフ・キャスト
監督 サム・ペキンパー
製作 リチャード・E・ライオンズ
脚本 N・B・ストーン・ジュニア 、 サム・ペキンパー
撮影 ルシアン・バラード
音楽 ジョージ・バスマン
配役
ジル ランドルフ・スコット
スティーブ ジョエル・マクリー
エルサ マリエット・ハートリー
ヘック ロナルド・スター
判事 エドガー・ブキャナン
ジョシュア R・G・アームストロング
エルダー ジョン・アンダーソン
シルバス L・Q・ジョーンズ
ヘンリー ウォーレン・オーツ
ビリー ジョン・デイヴィス・チャンドラー