予想編:
実力通り走ることが出来れば、皐月賞馬ドゥラメンテで必勝。二着は穴狙いの方が面白いだろう。
母父にサンデーがいるから距離は2400までこなせるはず。
問題は最近来なくなった7枠だが、偶数枠だし心配なら馬連、三連複にしておけば良い。
もしリアルスティールやサトノクラウンが内枠に入っていれば、もっと悩んだだろう。
しかしともに7枠、6枠と外目の枠になってしまった。
片や同一馬主、片や同一調教師と言うこともあり、共倒れになるような喧嘩はすまい。
対抗のリアルスティールは別格だ。現にドゥラメンテに共同通信杯で勝ったことがあるし、
先行できるのも今の馬場では有利。
三番人気サトノクラウンは血統的にマイラーみたいだから消しでも良いんじゃないかな。
最近の一枠はダービーで絶好枠。ダービーJ岩田に乗り変わった五番人気の1番枠サトノラーゼン、前走の京都新聞杯では内から抜け出して完勝。残り4fが11秒台のスローペースだった。ここでもスローが予想されるため、面白い一頭だ。
2番枠のタンタアレグリアは府中2400のスペシャリスト、鞍上もベテランの蛯名。瞬発力はないがスタミナ合戦になればチャンスあり。
4番枠のグヮンチャーレはスクリーンヒーロー産駒だから狙い目だが、どうも府中(3連敗)が苦手らしい。
5番枠のダノンメジャーは橋口厩舎最後のダービーと言うことで小牧騎手は強気だが、ダイワメジャー産駒だから距離不安がある。
6番枠のポルトドートイユは思ったほど成長が見られない。
7番枠の四番人気レーブミストラルは青葉賞の勝ち馬だが、このレースは向正面で13秒台に二度落としている。瞬発力では上位だが、ドゥラメンテにはとうてい敵わない。
10番枠のミュゼエイリアンは好スタートから辛勝した毎日杯、皐月賞7着から直行。スクリーンヒーロー×エルコンなので府中2400は得意なはず。
12番枠のアダムスブリッジがよくわからない。休み明けだが、急仕上げとも言われる。
15番枠のミュゼスルタンはマイルカップ三着で狙いたい穴馬の一頭だが、枠が外になりすぎた。
16番枠のスピリッツミノルは逃げるだろう。
17番枠のキタサンブラックは二番手か三番手で先行する。ただサクラバクシンオーが母父なので距離は保たない。
穴馬ほど完璧に仕上げてくるから、大本命がいるレースの場合、相手は絞らない方が良い。
この予想を覆すとすれば超スローでリアルスティールが先行抜け出し、ドゥラメンテが大外を回らされて間に合わず、皐月賞の二着×一着で決まるパターンだ。
それはそれで全国競馬界に散らばっている福永一族が泣いて喜ぶことだから結構だと思う。
でも馬券はドゥラメンテから行く。
☆
朝から天気が良く良馬場発表。レースを見ていると少しインコースが有利かと思うが、極端な差はない。
ただここ数年の良馬場ダービーに限っては1,2枠が有利。
馬体重が発表されてキタサンブラックが前走比10キロ増となり、勝ったスプリングSから見ても16キロプラス。これはさすがに脱落だろう。
パドック:
サトノラーゼンが小足を使い、コメートはテンションがやや高めだ。
ダノンメジャーは腹が詰まるマイラー体型、レーヴミストラルは頭が高くて来そうにない。
ミュゼエイリアンはうるさく、サトノクラウンがもっとも気合い良し、リアルスティールはつなぎが固そうで、ドゥラメンテは一人引きで良い感じに落ち着いている。
キタサンブラックは思った通り入れ込み、殿からミュゼスルタンが落ち着いて周回している。
レースはやや異常な立ち上がり。武豊ポルトドートイユが出遅れ、横山ミュゼエイリアンがハナにたつ展開。北村キタサンブラックが二番手に付け、三番手に3番枠のコメートと8枠のタガノエスプレッソが行く。先行勢はいずれもパドックでチャカついていた馬で押さえ込むより行った方が良い。しかし逃げると思われた酒井スピリッツミノルはスタートが悪くすぐ挟まれてしまい馬が一瞬ひるんだ。ムリヤリ押して先行勢に加わったがそこで脚を使ってしまった。レース自体も予想に反して相当速そうだ。
中団に目を移すと福永リアルスティールとデムーロ騎乗のドゥラメンテは同じ位置を争っていたが、リアルが折り合いを欠き頭を上げたのか一週目ゴール板前で後方へ下がり、ドゥラメンテが外目だがポジション取りでは一歩リードする。正直言って1コーナーの位置取りで既に勝負あった。
岩田サトノラーゼンも内埒沿いの中団につける。川田レーヴミストラルはリアルより前に付け、距離不安のあるルメール騎乗サトノクラウンはリアルスティールより後方インに待機。
前半1000が58秒8というハイペース。ここでペースが一旦落ち着く。
残り600から再びペースは上がり、まくりを掛けたドゥラメンテは松岡コスモナインボールに外に張り出されても、すぐ体勢を立て直し手前を変えて大外からぐいぐいと先頭に向かって上がっていく。
残り400で好位にたどり着きインから馬体を寄せたサトノラーゼンをあっさり交わした、
残り300で速くも先頭に立ち、そのままゴールイン。タイムは2分23秒2で父キングカメハメハやディープインパクトの2分23秒3を破るレースレコード。
父キングカメハメハとそっくりな中団外目から早め先頭のレースで見事栄冠を勝ち取った。
二着はサトノラーゼンが流れ込み、やはり今年も1番枠は強かった。京都新聞杯を勝った川田からテン乗りの岩田に乗り変わったが、その前週青葉賞で川田が勝ってダービーの先約が入ってしまったからで、選べるものならこちらに騎乗していたはずだ。
三着は距離不安も吹き飛ばして追い込んだサトノクラウン。ルメールはJRA同期のデムーロに負けて悔しい。しかしこの馬として3着は上出来だと思う。2000mに短縮されてもサトノラーゼンに勝てないだろう。
サトノ軍団の馬主の里見治氏はパチンコ大手セガサミーホールディングスの会長兼社長だ。二着と三着を独占しても勝てなきゃ仕方がないと怒っているだろう。
四着は福永が御しきれなかったリアルスティール。大本命ドゥラメンテより後ろから行ってはこの馬の良さは出せない。かといって今日のペースで先行するとバテて掲示板をはずすに決まっている。どちらにせよ日が悪かった。開成高校出身の矢作調教師が二週続けてしっかり追ったがその逆効果が出てしまったといえよう。
しかし生産者ノーザンファームは1着から4着まで独占した。丸儲けだ。
五着は先行してインでじっとしていたコメートが粘りきった。このハイペースで崩れなかったのは立派。
六着のミュゼスルタンはレース後下馬していた。故障していないか不安だ。
キングカメハメハの勝った日本ダービーもハイペースで上位に残った馬はハーツクライ、スズカマンボ、ダイワメジャー、コスモバルクとその後、各国のG1を制覇する名馬揃い。
デムーロはダイワメジャーで2年連続二冠馬が期待されていたが、それを力でねじ伏せたキングカメハメハ。その息子に騎乗して二冠を達成したのだから、喜びもひとしおだろう。
生産者ノーザンファームにとってもダイナカール、エアグルーブ、アドマイヤグルーブと女傑母子が三代続いた内国産G1牝馬の血統からついに生まれたダービー馬だ。秋に向かって期待が大きく膨らんでいる。
2011年の三冠馬オルフェーブルは気性難から秋に遠征を避け菊花賞を勝ち、次いで有馬記念まで勝ち四冠馬になった。しかし四歳春の天皇賞で悪癖が復活して大敗し、宝塚記念を使わざるを得なかった。それが尾を引いて四歳秋から凱旋門賞に2年連続で出走したが、ともに二着に敗れることになる。
ドゥラメンテは秋に三冠馬を狙わず斤量の軽い三歳のうちに凱旋門賞に挑戦させてやって欲しい。
POGの達人 2015~2016年 完全攻略ガイド (光文社ブックス 117)
馬券は当然当てているが、サトノラーゼン自体が単勝5番人気を終始守り結局馬連も1980円しか付けなかった。
喜びも中くらいなりドゥラメンテ