グレアム・グリーン原作「拳銃売ります」を映画化。
サンフランシスコのボロ・アパートに身を沈めるレイヴンの正体は殺し屋。 今日の標的は企業を脅迫していたベイカーで愛人と一緒に射殺する 。
早速、依頼人のゲイツに報告に行くが、何故か報酬として10ドル札の束をくれる。 実はゲイツはナイトクラブを経営しながら、 ニトロという化学メーカーの役員をしていた。 そしてニトロの経理部長ベイカーが出張中に殺され、 現金が奪われたと警察に通報していた。 警察のクレイン刑事は早速奪われた現金の通し番号を各署に手配し た。 レイヴンが使った10ドル札の番号が手配番号に該当していて、 ゲイツに嵌められたと気付くも遅く警察に追われてしまう。
その頃クレインの恋人であり歌手兼マジシャンのエレンが、ロスアンジェルスにゲイツが新たに開くナイトクラブの出演者オー ディションに合格する。 実はある上院議員がゲイツのナイトクラブこそ国際スパイが密会す る場だと考えて、 エレンをスパイとして送り込ませただった。
エレンはシスコからロスに夜行列車で行く。エレンが座っていた席の隣にゲイツを追うレイヴンが座る。 翌朝ロスに着くとゲイツが警察に通報していて降りる客を一人一人 検問している。そこでエレンを脅迫してカップルに見せて、 難を避ける。さらにエレンを廃墟に連れ込み殺そうとするが、 工事労働者に騒がれてエレンに逃げられてしまう。
エレンはナイトクラブで歌とマジックのショーのリハーサルに参加した後、ゲイツに誘われて屋敷に連れて行かれる。 しかしゲイツは列車でレイヴンと一緒にいたエレンを一味と考えて 監禁してしまう。ゲイツが去った後に現れたのが、 ゲイツを敵として追うレイヴンである。 レイヴンは猿轡をかまされているエレンを発見し、助ける。 そこに至って二人の共通の敵がゲイツであると知って共闘する。
ゲイツはニトロ社の役員会に出席して社長に状況を報告する。実は車椅子の社長がすべての黒幕で毒ガスを日本軍に売るためにゲイツにナ イトクラブを経営させて密会の場を提供させている。 経理部長には毒ガス輸出の秘密を握られ、 レイヴンに始末を依頼したのだ。 そのゲイツがいる社長室に、レイヴンが警察の警戒網を突破してついに突入してきた。 彼は社長とゲイツから自白のサインを取ったうえで射殺する。 そして警察に追われる最中エレンに目配せをしてから、 最後は射殺される。
このシナリオは名脚本家が二人掛かりで仕上げている。
イギリス人グレアム・グリーンの原作は読んでいないが、
こういう穴だらけの脚本にやる気がなかったのか、「
ロバート・プレストンはどう見ても悪役顔なのだが、
そんな四面楚歌の中、新人くんのアラン・
彼は冷酷に人を殺せる殺人鬼だ。
こういう複雑そうな役をアランは演じきっている。
アメリカではこの映画や後続の作品で、戦時中に一気にアラン・
ところが日本でアラン・ラッドといえば西部劇の「シェーン」
アラン・ラッドというとアメリカ人は後輩のジェームズ・
ヴェロニカ・レイクも戦中派の繋ぎ役になってしまったが、ローレン・バコール以前の名ヴァンプ役である。
監督:フランク・タトル 製作:リチャード・ブルメンタール 原作:グレアム・グリーン 脚本:アルバート・マルツ W・R・バーネット 撮影:ジョン・F・サイツ 音楽:デヴィッド・バトルフ 出演:ヴェロニカ・レイク ロバート・プレストン アラン・ラッド レアード・クリーガー タリー・マーシャル マーク・ローレンス オリン・ハウランド ロジャー・イムホフ パメラ・ブレイク |
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ただしこの「拳銃貸します」は完全版ではなく換骨奪胎された短縮版だと思っている。フィルムの一部がなくなったか、プロデューサーが勝手に手を入れたのだろう。