有島武郎の代表作を息子の森雅之と京マチ子が共演している。
名作物専門の巨匠豊田四郎が監督。
芥川比呂志、浦部粂子、若尾文子、夏川静枝が共演。
明治大正期の飛んでる女「葉子」の話だ。
彼女はひたすら個人主義だ。男からも解放されんと欲するが、しかし結局は男なしでは生きてはいけない。
病に倒れ、自らのヒステリーに苦しみ、幸せになりたいと言って死んでいく。
ここまで自己中心的で、好き勝手に生きる女は今でも珍しい。
幸福を追い求める人間はそう簡単には幸せになれやしない。
有島武郎ジュニア森雅之が教科書に載っている父親そっくりの姿で登場する。
でも親父さんは線の太いタイプじゃないから、心中して死んでしまった。
この倉地はハードボイルドな売国奴だ。
ちょっと合わない気もする。
京マチ子はさすがの貫録だ。
守銭奴になった「女の一生」布引けいと、この「或る女」葉子を演じたら怖いものなしだ。
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或る女 1954 大映
豊田四郎⇒永井荷風⇒渡辺はま子⇒阿部定⇒『浮雲』。名画座でアタマをかけめぐる男と女の連想ゲーム……
★映画を観ては身につまされてばかりいる。
雑念、妄念ばかりが脳裏をよぎる。
決して正しい映画の観方とかいえない。
それにしても男は、いやオレはアホか。
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