人間と恐竜が共存している、1940年の映画「紀元前百万年」(監督:ハル・ローチ)のリメイク映画。

リメイク作は、英国ハマー・スタジオの製作で、レイ・ハリーハウゼンが特撮監督で監督はドン・チャフィ
主演はラクエル・ウェルチジョン・リチャードソン。共演はロバート・ブラウン、パーシー・ハーバート、マルティーヌ・ベズウィック

あらすじ

原始時代に、アクホバを長とする黒髪民族が火山の麓にある洞穴に住んでいた。彼の次男ツマクは、父親と喧嘩して追放される。そしてツマクの放浪が始まった。彼は、恐竜や猿人に出会い、命からがら逃げ切る。ある日、彼は海辺に住む金髪のシェル族に出会う。突然巨大なウミガメが出現して、人々を襲う。ツマクはウミガメを撃退する。一目惚れした、娘ロアナによって彼は、シェル族に迎えられた。
この民族は知性が高く、ツマクは人の槍を盗んだため、追放されてしまう。ロアナは、彼のあとを追った・・・。

 

雑感

まだ、歴史前の簡単な名詞と動詞、形容詞しかない原始文法を持つレベルの人類と恐竜が共存している世界である。その中で狩猟文化を持つ黒髪の民族(山の民)と、採集文化を持ち少しだけ知能が高い金髪の民族(海の民)が接触して起きる「文明の衝突」を描いている。
山の民は、肉体派だから優勢になるが、最後は天変地異が起こり、山の民も海の民も人口が減って、両者は合体してしまう。

レイ・ハリーハウゼンが作った「着ぐるみではない」恐竜モデルは、クォリティーにおいて当時としては最高水準といえる。造形された登場生物はブロントサウルス、アロサウルス、トリケラトプス、ケラトサウルス、プテラノドン、エウディモルフォドン、アーケロン、大グモ。フジテレビと日本特撮のテレビシリーズ「怪獣王子」(1967)に登場する着ぐるみ恐竜は、ハリーハウゼンに全く敵わない。
他にイグアナとクモがいるが、実物を拡大して映像に合成したものである。

 

ラクエル・ウェルチはボリビア系アメリカ人だが、1965年の「ミクロの決死圏」で有名になり、イギリスのハマー・スタジオからこの映画のため招かれた。1973年、「三銃士」で悪女コンスタンスを演じてゴールデングローブ主演女優賞を受賞している。

オリジナル映画は、ハリウッドのユナイテッド製作で、主演が美人女優キャロル・ランディスと肉体俳優ヴィクター・マチュアの特撮映画。

スタッフ

監督:ドン・チャフィ
脚本:ミッケル・ノバック、ジョージ・ベイカー、ジョセフ・フリッカート
製作・脚色:マイケル・カレラス
撮影:ウィルキー・クーパー
特撮監督:レイ・ハリーハウゼン
特殊効果:ジョージ・ブラックウェル
音楽:マリオ・ナシンベーネ

キャスト

ロアナ:ラクエル・ウェルチ
トマク:ジョン・リチャードソン
アクホバ:ロバート・ブラウン
サカナ:パーシー・ハーバート
ヌポンディ:マルティーヌ・ベズウィック
日本語テレビ版ナレーション:矢島正明

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二人は、ツマクの元いた洞穴に帰りつくが、既に兄サカナが父アクホバから権力を奪取しており、ツマクも追い落とそうとする。
しかしツマクは、シェル族の高度な武器を用いてサカナから主導権を奪った。そのとき火山が大爆発し、大勢の人間が死んで、当たりは死の灰が降った。けれども、ツマクを中心とするわずかな人数だけが生き残った。彼らは新天地を求めて、旅に出るだろう。

 

恐竜100万年 One Million Years B.C. (1966) 英ハマー・フィルム製作 20世紀フォックス配給 レイ・ハリーハウゼンの特撮映画

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