高度成長期に認知症やアルツハイマー症候群に対する警鐘をいち早く鳴らした問題作。
妻に先立たれた茂造にボケの症状が出てくる。
夫や小姑はやっかいがって、妻の昭子に父の世話を押しつける。
ところが昭子が目を離した好きに茂造は風呂場でおぼれてしまう。
有吉佐和子は「複合汚染」など時代を先取りしたルポルタージュ的作品が多かったが、これはその代表作。
40年経って、一般人はまさかここまでひどくなってるとは思わなかっただろうが、専門家はわかっていたはずである。
しかしいまだに何ら手を打っていない。
森繁久弥のぼけた演技が素晴らしい。
高峰秀子主演、松山善三脚本だと高峰が前に出るのだが、この作品はそうではない。
完全に森繁の映画だ。
監督 豊田四郎
脚本 松山善三
原作 有吉佐和子
製作 佐藤一郎 市川喜一
撮影 岡崎宏三
音楽 佐藤勝
出演
森繁久彌 (立花茂造)
田村高廣 (立花信利)
高峰秀子 (立花昭子)
乙羽信子 (京子)
浦辺粂子 (門谷のお婆ちゃん)
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