号泣必至のアニメ映画。

深夜アニメ映画(ジブリや細田守作品と違い、深夜アニメをマルチメディア展開させ映画館で上映されるアニメ作品)を見ない人たちにも口込みで広がりあっという間に興行収入11億円に達する。

秩父の高校が舞台。

高校のクラス担任城嶋は「地域ふれあい交流会」実行委員に誰も立候補しないことから、成瀬順、坂上拓実・仁藤菜月・田崎大樹の四名を指名する。

四人にはそれぞれ大きな屈託があった。成瀬順は子供の頃父親が離婚したのは自分のおしゃべりのせいだと思い込みメールでしか人と話せない。母にはそのことをいつも詰られている。

坂上拓実も両親の離婚の責任が自分にあると思い込んでいる。仁藤は中学の頃、坂上と仲が良かったが、結局うやむやになりよりを戻せずにいる。

田崎は野球部のエースだが、故障中で荒れていた。

担任はミュージカル公演を提案しクラスは猛反対、成瀬はおしゃべり出来ないが、坂上がピアノ伴奏したミュージカル・メロディに突然自作の詩を乗せて歌い出す。

その美声を聞いて驚いたクラス全員は、ミュージカルを公演することに賛成する。

そしてDTM研究会が中心となり選曲して、ヒロイン役の成瀬が歌詞を書き、舞台装置はクラス男子が受け持ち、衣装はクラス女子が担当して、次第にクラス全体が一つになって盛り上がっていく。

しかし「地域ふれあい交流会」の公演前日、坂上が仁藤と仲睦まじくしているところを成瀬は見てしまいそのまま失踪する。

アニメでミュージカル劇なんてただの御都合主義映画じゃないかと思っていると、最後にガツンとやられる。

ただのクラス活動で演劇部も真っ青な舞台を見せられて、恥ずかしさで背筋がザワザワとする思いだった。

しかしクライマックスで成瀬が登場して歌い出すところは号泣ポイントだった。

成瀬の母親は吉田羊が声優初挑戦している。最初の頃は違和感丸出しだったが、クライマックスで母娘との誤解が解けるため涙の追い打ちにあってしまう。

成瀬役の水瀬いのりはアイドル上がりで2013紅白歌合戦にも「あまちゃん」の挿入歌を歌ってスペシャルコーナーに出演している。演技は定評あったが、一昨年辺りから主演級声優として成長してきて、この映画の難しい主役を勝ち取った。前半はほとんどしゃべれないが、かえって存在感はクラスでもっとも大きい。

その他、脇役もこれからの時代を担う声優を多く使っていて、声優マニアにも期待の作品だ。

制作スタッフはフジテレビの「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(テレビアニメ及び劇場版)の面々が再び集っている。

監督 長井龍雪

脚本 岡田麿里
原作 超平和バスターズ
製作 A-1 Pictures

出演

水瀬いのり(2015声優アワード最優秀主演女優賞)

内山昂輝

雨宮天(2015声優アワード新人女優賞)

細谷佳正

古川慎(ワンパンマン)

石上静香(下ネタという概念が存在しない退屈な世界)

高橋李依(それが声優)

吉田羊

藤原啓治(クレヨンしんちゃんのパパ)

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心が叫びたがってるんだ。 2015 アニプレックス

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