大林監督の傑作の一つ。
福永武彦が原作。
舞台は尾道ではなく、柳川運河。
江口青年は卒論をまとめるため、一夏柳川の旧家で過ごすことにした。
相手をしてくれたのは、まだ幼さの見える娘安子だった。
その夜、運河のせせらぎとともに、女のすすり泣きを聞こえてくる。
滅びの美学を描いた作品。
太宰治の「斜陽」ともまたちがう味わいがあって良かった。
今は明るい観光都市であるが、それも昔から住んでいる人にとっては迷惑な話なのだ。
弁慶役の林成年が好演。
監督 大林宣彦
脚本 内藤誠 桂千穂
原作 福永武彦
音楽 大林宣彦
出演
小林聡美 (貝原安子)
山下規介 (江口)
根岸季衣 (貝原郁代)
峰岸徹 (貝原直之)
入江若葉 (秀)
尾美としのり (三郎)
林成年 (弁慶)
入江たか子
廃市 1984 ATG