井上梅次の原作・監督作品で石原裕次郎が主演した映画を池上金男が新たに脚本化し、舛田利雄が監督したリメイク作品。カラー映画で撮影は萩原憲治。
主演のドラマー国分正一は当時売り出し中の渡哲也、恋人役福島美弥は芦川いづみ。
共演は山岡久乃、宇野重吉、内田稔、山田真二、梶芽衣子、由美かおる。
雑感
石原裕次郎主演の名作映画をリメイク。
あれだけの名作だから筋書きは覚えているが、この映画のストーリーは少し違っていた。
前作は、
国分正一:石原裕次郎
国分英次:青山恭二
国分貞代:小夜福子
福島美弥子:北原三枝
福島慎介:岡田眞澄
大家の娘島みどり:芦川いづみ
メリー丘:白木マリ(万理)
ジャズ評論家左京徹:金子信雄
ライバルのドラマー・チャーリー桜田:笈田敏夫
というメンバーだった。
父親はおらず、弟英次は音楽大に進学し指揮者コンクールを目指している。芦川いづみだけは,異なる役だが両方に出演している。
今回は指揮者がレーサーになり、父親が新たに登場した。
その父親を演ずる宇野重吉が渋くて、単なるリメイクでなくなっている。
父と絡むシーンでは長男役の渡哲也も若かったのになかなか味があった。
なお、今作の福島慎介バンドの実演は「猪俣猛とウエストライナーズ」が行っている。トランペットはあの日野皓正である。ライバルのチャーリー桜田は、弟の日野元彦が演奏していると思われる。猪俣猛は、1957年の「嵐を呼ぶ男」ではチャーリー桜田の実演を行った(石原裕次郎の演奏の実演は白木英男が行っていた)。
福島慎介バンドのメンバーに若手だった杉良太郎がいたが、スティル写真で一人だけ眼光が違って、将来スターになることを予感させた。
キャスト
渡哲也 ドラマー国分正一
藤竜也 レーサー弟英次
山岡久乃 母貞子
宇野重吉 父健作
芦川いづみ 敏腕マネージャー福島美弥
杉江弘 バンドリーダー福島慎介
山田真二 ライバルドラマーのチャーリー桜田
内田稔 敏腕プロデューサー左京徹
藤岡重慶 ライバル事務所の社長持永
殿岡ハツエ ダンサーのメリー丘
太田雅子(梶芽衣子) ご令嬢寺本比佐子
由美かおる メカニックの牧村阿矢
佐野浅夫 阿矢の父
橘和子 立花公子
榎木兵衛 父の友人鉄
杉良太郎 バンドメンバー原
杉山元 バンドメンバー木村
前田武彦 インタビュー司会者
森みどり ストリッパー
深江章喜 ヒモの男
スタッフ
企画 児井英生
原作 井上梅次
脚色 池上金男
監督 舛田利雄
撮影 萩原憲治
音楽 伊部晴美
あらすじ
ジャズバンドの「福島慎介とシックス・ジョーカーズ」のドラマー・チャーリー桜田は、人気No.1だった。慎介の妹でマネージャー美弥は、酒場で国分正一と出会い、彼のドラムに魅力を感じる。
バンドからの独立を望んでいる、チャーリーは出番になっても出てこない。美弥は正一に代わりを務めさせた。プロデューサーの左京は正一の腕前を腕前を評価した。そこで美弥は正一と正式にドラマーとして契約する。
チャーリーは、ライバル事務所持永プロに入社する。美弥の体を狙う左京は、正一に美弥と左京の関係を取り持たせる条件で、チャーリーと正一のドラム合戦を企画した。
ところが、正一はチャーリーの用心棒と喧嘩して、右手をケガする。にも拘わらず、ドラム合戦で正一はマイクをつかむと唄い出した。歌うドラマー正一にファンは熱狂した。チャーリーは落魄してドサ回りを始めた。
正一の弟英次は、プロレーサーを夢見ている。教師で二人の母親正子は、家を飛び出した正一を嫌い、英次ばかりを可愛がった。正子は、自由気ままな生き方を選び出て行った夫を恨んでいて、同じ生き方を選んだ正一を愛することがどうしても出来なかった・・・。
左京は、美弥を世話にしないと弟に危害を加えると脅す。しかし、正一は美弥の一途な思い受け入れて愛し合った。左京は怒って正一をヤクザに襲わせ右手を潰してしまう。左京は、正一の姿を見て負けたと悟った。
英次は、新人戦を前にして正一のケガを知り動揺する。だが、恋人の阿弥や母、美弥の応援により雨のコースを先頭でぶっ飛ばしていた。
その頃、病院を抜けだし父親の家で正一は英次の応援をしていた。そこへ、母親と美弥がやって来た。美弥の努力によって母親と正一は和解する。美弥は、正一と二人で帰途についた。
左京は、美弥を世話にしないと弟に危害を加えると脅す。しかし、正一は美弥の一途な思い受け入れて愛し合った。左京は怒って正一をヤクザに襲わせ右手を潰してしまう。左京は、正一の姿を見て負けたと悟った。
英次は、新人戦を前にして正一のケガを知り動揺する。だが、恋人の阿弥や母、美弥の応援により雨のコースを先頭でぶっ飛ばしていた。
その頃、病院を抜けだし父親の家で正一は英次の応援をしていた。そこへ、母親と美弥がやって来た。美弥の努力によって母親と正一は和解する。美弥は、正一と二人で帰途についた。