若手の波島進(のちに特別機動捜査隊)が明智小五郎に、世界的バレーダンサーの小牧正英怪人二十面相に起用した意欲的二部作。

二十面相の復讐:
前作までとは異なり、今回の怪人二十面相の狙いは老中柳沢家の金鉱山の位置を示す地図らしい。二十面相は当主久光の娘雪子に地図の隠された時計を持たせ野球場に来いという。明智は秘書のマリ子を代わりに行かせるが、二十面相に攫われてしまう。しかし小林少年の活躍でマリ子は救出するが、地図を奪われる。

夜光の魔人:
地図は三つに分けられ家老職の三家が拝領していた。そのうちの星川家当主が頂いた地図には金鉱でなく何とウラン鉱山の位置が示されていた。二十面相は星川老人を攫い、その地図を奪って読み解かせようとするが、星川老人と思っていたのは入れ替わった明智その人だった。死闘の末、二十面相は逃げ明智は少年探偵団に救われる。明智は地図からウラン鉱山がある場所を特定し急ぐが、一歩遅れて二十面相が部下を連れて待ち受けていた。そしてマリ子が再び捕らえられる。

例によってマリ子がお約束通り足手まといだ。マリ子は事務所で電話番だけやっていれば良いものをw。
「二十面相の復讐」は小牧正英のバレーダンサーとしての華麗な足さばきを逃げ足に応用して見せ場を作った。しかし「夜光の魔人」は舞台が浅間山の田舎町で小牧の足を見せる場面は皆無である。もう少し幾何学的なセットで踊らせたかった。そのほかは、ひたすら無粋な銃撃戦でお茶を濁すだけ。せっかくの日本バレエ界の宝が持ち腐れになってしまった。

少年探偵団 二十面相の復讐・夜光の魔人 1957 東映

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