松竹版の宮本武蔵。
関ヶ原の合戦後、生まれ故郷の宮本村に帰るが、西軍の残党狩りによって大木に縛り付けられる。
お通によって助けられるが、武蔵は一人剣の道へ進む。
数年後、京の宇治橋に道場破りの高札が立った。
吉岡道場吉岡清十郎に宮本武蔵から宛てたものだった。
東宝が三部作、東映が五部作だったのに、松竹は140分あまりの単発映画。
この会社にしっかりした時代劇を作る力はなかった。
俳優も自前は笠智衆ぐらいのもの。
その笠智衆も沢庵和尚役は荷が重いのか、上映時間が短すぎるのか、ピンとこない。
加藤泰のローアングル撮影はスケールの小さなドラマでこそ生きるのであって、大河ドラマには似合わない。
田宮二郎が五社協定で干されてから全く主役がもらえなかった頃の作品。
しかし、高倉健がやるより、はるかに様になっていた。
監督:加藤泰
脚本:野村芳太郎、山下清泉
撮影:丸山恵司
音楽:鏑木創
出演:
高橋英樹:宮本武蔵
田宮二郎:佐々木小次郎
フランキー堺:本位田又八
松坂慶子:お通
倍賞美津子:朱実
佐藤允:吉岡伝七郎
細川俊之:吉岡清十郎
笠智衆:沢庵
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