2003/10/15(Wed) 22:49
キャスト 田中絹代 高峰秀子 山村聡 上原謙 高杉早苗 笠智衆 堀雄二
監督 小津安二郎
製作 児井英生 / 肥後博
原作 大佛次郎
脚本 野田高梧 / 小津安二郎
撮影 小原譲治
音楽 斎藤一郎
東宝争議後の新東宝時代に撮った、小津のシリアスメロドラマ。
「宗方姉妹」と書いて、むねかたきょうだいと読む。
☆
宗方姉(田中絹代)と妹(高峰秀子)は、京都の父親(笠智衆)のもとへ出かける。
実は医者から父の寿命があと一年と告げられたのだ。
姉妹は東京の家に戻った。
姉の亭主・三村(山村聡)はインテリだがニヒリスト。
しかも失業中であり、何かと姉妹に嫌がらせをする。
姉には結婚前に好きだった男、田代(上原謙)がいた。
三村は田代の存在を腹立たしく思っていた。
姉は喫茶店をやっていた。
そこが大家から立ち退きを迫られる。
姉は思いあまって田代に援助を求める。
田代は二つ返事で金を貸してくれたが、面白くないのが三村。
大げんかになり、結局田代の勧めてくれた資金繰りを断る羽目に。
店を潰してしまったが、それでも三村は収まらず、離婚話を持ち出す。
姉も決心した。「別れよう。」
喜々として田代の元へ急ぐ姉。
しかし、二人は結ばれる運命ではなかった・・・
☆
話の筋書きを書くと、高峰秀子が全然出てこないようだが、前半戦は大活躍だ。
姉が人妻なので、代わりに姉の恋人・上原謙との絡みが多い。
田中絹代はこの後も小津作品に出てくるから、イメージ通りの演技だった。
しかし秀子は思った以上に小津作品に嵌っていたなあ。
とてもチャーミングだ。
古風な姉が自立を目指し、結局うまくいかず、ずるずる過去を引きずっている。
その反対の生き方を目指す妹を通して、姉の人生を対照的に描いている。
東宝俳優陣のうち上原は小津に合っているが、山村は合っていない。
あと、高杉早苗は市川猿之助の母だ。
永遠のセルマ・リッター
映画を中心に趣味を語り尽くします!
★「宗方姉妹」、女は怖い!★
「宗方姉妹」 (1950) 日本
監督:小津安二郎 製作:児井英生 原作:大仏次郎 脚本:野田高梧 撮影:小原譲治 美術:下河原友雄 音楽:斎藤一郎 出演:山村聡 笠智衆 高峰秀子上原謙 田中絹代
例の如く、ネタばればれなので厳重注意ね。
怖いですねぇ〜。「初期設定……