アメリカ映画「地球が静止する日」と「地球最後の日」を足して二で割ったパニック映画。その割に緊張感がなく、最後はグダグダ感があるw。
監督は島耕二、脚本はSF初挑戦の小国英雄(「七人の侍」)。主演は川崎敬三、苅田とよみ、永井ミエ子。共演は見明凡太朗、山形勲、南部彰三

英題は輸出時のタイトル。
 

あらすじ

前半は円盤が地球上空に突然現れる。しかし科学者はどこかの国が上げている人工衛星だと思う。そのうちに地球上で異変が起き始める。各国は人工衛星打ち上げを自粛するとそのうち騒ぎも収まる。
ところが日本の小村博士らの前に突然人気ダンサーそっくりの美女が現れる。彼女はパイラ人と名乗り、地球に惑星Rが衝突すると警告する。
天文台で観測していると、果たして惑星Rが現れる。Rは地球にどんどん近付き地球はRの放射熱で温められるが、各国が発射する原水爆では爆破できない。こうなったら松田博士の発見した方程式に基づく新爆薬ウリウム101しかなかったが、松田博士が誘拐されてしまう。あと1日でRが地球に衝突する日、極地の氷が溶けて洪水となっていたが、再びパイラ人が現れ、松田博士を救出して爆弾をRに向けて発射すると申し出る。
やがてRはウリウム101爆弾で木っ端微塵となり、地球に青空が戻ってきた。

 

 

 

雑感

 
小國正雄の初SF脚本は、素人目にも突っ込みどころ満載だ。ろくな科学考証をしていない。
なぜパイラ人は既にウリウム101の方程式を知りながら、松田博士を救出して改めて尋ねたのか?方程式の係数や定数項が分からなかったのか?
また洪水の水が引いた地球上は感染症のばい菌でいっぱいと思うのだが、そこで子供たちを遊ばせても大丈夫か?昔の子供たちは今の子供ほどひ弱でないから良いのか。
安易なパイラ人の造形(ヒトデの形で真ん中に一つ目があり点滅している)が、円谷英二と違って的場徹のやっつけ仕事感満載なのも嬉しいw。低予算SFなら的場徹に限る。

 
ちなみにカラー映像の色彩設計は、あの岡本太郎監修である。
何故かパイラ人の姿はモノクロ映像で描いたので、赤いパイラ人は映画の中では見られない。
 

 

 

スタッフ・キャスト

 
監督 島耕二
製作 藤井朝太
原案 中島源太郎
脚本 小国英雄
企画 中代冨士男
撮影 渡辺公夫
特殊技術   的場徹 、 築地米三郎 、 田中捨一
音楽 大森盛太郎
色彩設計  岡本太郎
 
配役
磯辺徹        川崎敬三
青空ひかり/天野銀子    苅田とよみ
小村多恵子     永井ミエ子
磯辺直太郎       南部彰三
磯辺徳子       目黒幸子
小村芳雄       見明凡太朗
松田英輔      山形勲
宇宙軒のお花         岡村文子
 

 

 

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